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ブエナビスタは絶対なのか?

  • 2009年04月06日(月) 23時50分
 桜花賞はどう考えてもブエナビスタの一本かぶりで行われるだろうが、どんなに強い馬であっても、GIで確実に勝つというのは容易なことではない。また、穴党はどれだけ強そうな人気馬がいても、突破口を見出さねばならないものである。

 阪神芝1600m外回りはそのコース形態から強い馬が力量を発揮しやすそうで、しかも差し・追込タイプに向きそうに見えるのだが、見えるのと実際のデータは意外に合致しないもので、少なくともオープン特別・重賞レベルでは「力さえあれば差し放題」とはなっていない。

 新コースになってから阪神芝1600m外回りのオープン特別・重賞はこれまで20レース行われているが、1番人気に応えて勝ったのは4頭だけ。単勝回収率では38%だから、あまり芳しいものではない。

 しかも、4勝のうち2勝はブエナビスタ自身があげたもの。「既にコースの傾向を超越した強さを見せている」と考えることもできるし、「傾向そのものを尊重すべき」と考えることもできるし、悩ましいところである。

 もちろん、ブエナビスタの「強さ」を疑う余地はないし、コース適性がないということは重賞2勝からもありえない。とすれば、残るネックは展開だけだろう。

 実際、下級条件も含めて「前走も阪神芝1600m外回り・今回も阪神芝1600m外回り」という馬を見てみると、連続した好走ができなかった馬は、展開に翻弄されたレースが多い。

 馬券上のポイントになるのはハナへ行く馬だろう。オープンのレベルになっても逃げ残りの多いコースだし、力のある追い込み馬が届くケースでも、前付けした馬から3着以内に1〜2頭が残るという形はある。ブエナビスタが楽々届く流れだから他の差し馬も……と考えるよりは、馬券の常である先行有利を意識したほうがよいのではと考える。推測レベルのまとめになってしまうが、新コースで2回しかやっていないレースなので仕方ないのである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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