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オークスで穴を狙うなら先行タイプ? 差しタイプ?

  • 2009年05月18日(月) 23時59分
 オークスはブエナビスタの一本かぶりが確実。もし万が一があるとしたら極端な脚質が原因となることが考えられるので、真逆である先行タイプを狙うべき……というような原稿を既にあちこちで書いてしまったのだが、果たしてそれで合っているのか? ということを改めて考えてみたい。

 人気馬を嫌うためには逆の属性を持った馬を狙うべし、という理屈は合っていると思うのだが、その理屈が機能しているとは限らないからだ。

 まず、過去10年の平地GIで単勝1.4倍以下に推されて敗れた馬4頭を見てみよう。

 07年桜花賞のウオッカ、05年有馬記念のディープインパクト、04年オークスのダンスインザムードはいずれも自身より道中前にいた馬に勝たれている。1頭だけが例外で、99年安田記念のグラスワンダーは後ろから来たエアジハードに差されている。

 1.5倍で負けた馬は7頭いる。こちらは前にいた馬に負けたケースが3頭、後ろからやられたケースが4頭。ただし、03年高松宮記念ショウナンカンプのように自身が逃げ馬だったケースもある。

 つまり、差し・追い込みタイプが取りこぼす場合、その馬より前にいる馬が勝つとは限らないということだ。

 一方、人気になった馬が逃げ・追い込みどちらか極端な脚質だったケースだけを見てみると、先述したショウナンカンプのときは好位にいたビリーヴが優勝。追い込みでは05年マイルCSでデュランダルが負けたときに道中12番手のハットトリック、02年NHKマイルCでタニノギムレットが負けたときにほぼ同じ位置にいたテレグノシスが勝っており、意外に「似たタイプ」がアップセットを起こしていることが分かる。

 つまり、ブエナビスタ以外から入るとしても、差し・追い込みタイプを狙うことが可能ということだ。私は先行タイプありきで複数の誌面に某馬を◎としてしまったので引っ込みがつかないが、これから馬券を検討する皆さんにはぜひ参考にしていただきたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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