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今年の香港調教馬は?

  • 2009年06月01日(月) 23時59分
 今年の安田記念には香港調教馬が2頭やってくる。

 今回はデータの話というより、香港馬の取捨に関する話を書いてみたい。

 香港馬の取捨は意外に簡単だ。まずは、現地G1を普通に勝ち負けできるレベルであること。近走にそのG1勝ち負けレベルの好走歴があること、そして原則として初来日であることだ。

 香港馬はJCも含め人気薄で激走したことが何回かあるが、安田記念のオリエンタルエクスプレスは同年にクイーンエリザベスII世Cを勝つなど、同馬のキャリアの中でも旬と呼べる時期だったし、フェアリーキングプローンもベストオブザベスト1強体制だった香港スプリント界に前年の香港スプリントで終止符を打ち、その好調を維持している最中の来日だった。

 しかもこの2頭は2度目の来日ではあっさり負けているし、JCにおけるインディジェナスも同様。サイレントウィットネスは安田記念3着から4か月後のスプリンターズSには勝利したものの、明らかにパフォーマンスを落としつつあった翌年のスプリンターズSでは4着と馬券の対象から外れている。

 唯一の例外が2回目の来日で勝ったブリッシュラックだが、同馬も3回目の来日ではいいところなし。2回目の来日もチャンピオンズマイルに勝った直後ではあったので、全く勢いが落ちての来日だったわけではない。

 こう考えると、今年の2頭のうち近走内容が悪いアルマダは、昨年の2着馬であってもバッサリ切るべき。問題はサイトウィナーだ。

 こちらは「格」が不足しているように思われる。チャンピオンズマイルも馬場と展開に恵まれたし、これまで好走した香港調教馬に「一発屋」タイプがいなかったことを考えても、ここは苦しい。

 延々読んでいただいたうえでの結論が「消し」で申し訳ないが、来年以降「買い」パターンの香港馬が来ることもあるだろうから、そこで参考にしていただきたい。

 最後にサイトウィナーについて付け足し。週末に雨が来て、ダービー時と同じような馬場になればチャンスがある。雨+内枠ならば馬券の対象に一考したい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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