今週のエプソムC、登録28頭のうち、半数近い13頭がサンデーサイレンス系である。
SS系が増えた今では珍しくないことだが、しかし一方でエプソムCはSS系が苦手とするレースでもある。
あれ? 去年ワンツーじゃなかった? とお思いの方。確かに昨年は1着が父ステイゴールドのサンライズマックス、2着がマンハッタンカフェ産駒のヒカルオオゾラだった。
しかし、SS産駒がはじめてエプソムCに出走した96年以降トータルで見ると、SS系の成績は[2-2-4-40]。勝率4.2%・連対率8.3%、回収率は単20%・複36%ときわめて「おいしくない馬券」になっている。人気になるレベルならそれなりに馬券に絡んではくるのだが、穴が出ないのだ。
他の重賞と比べてどうなのかも見てみよう。SS系の馬が20出走している芝重賞の中で、連対率が最も低いのはスワンSで5.6%。そのスワンSにおける回収率は単60%・複44%。回収率はエプソムCが下回っている。
反対に、複勝回収率が一番低いレースはというと、秋華賞で28%。その秋華賞の連対率は9.1%で、エプソムCを若干上回っている。
こうして考えていくと、エプソムCは「SS系が苦手な重賞」でいずれかの指標のトップにくることはないのだが、総合的に見るとトップを争うものであると言えそうだ。
SS系の成績が悪い重賞の中には「直仔は良かったのに後継種牡馬の仔が……」というものもあるが、エプソムCの場合は直仔に限っても連対率5.9%、複勝回収率40%だからそれにはあたらない。やはり系統丸ごと苦手と考えるしかない。
ただ一方で、昨年ワンツーされてしまったのも事実である。しかも昨年は5頭しか出走馬がいなかったのにワンツーであった。全体の傾向と昨年の結果、その狭間でSS系が多い今年のエプソムCをどう予想するのか悩ましいところである。