斤量条件が変わってレースの特徴ががらりと変わることはあるが、マーメイドSもそんなレースのひとつである。
ハンデ戦化初年度の06年(京都施行)が9、3、11番人気の決着。07年は2、5、6番人気と大人しかったが、08年は12、10、5番人気と再び大波乱になった。
ハンデ戦になった途端荒れだした……というと斤量差に注目したくなるが、よくよく考えるとそれだけの問題ではないようにも思えてくる。
ひとつには、まず集まってくるメンバーそのものが違う。別定時代はGIホースや、GIで複数回2着しているような馬がけっこう出走しており、それらは好走することも多かった。一方で、創設初年度の1番人気馬サイレントハピネスなどはGI好走歴がなく、レースでも7着と敗れた。
「結局は馬の質」が正解だとすると、GI馬であるリトルアマポーラがここ3年の傾向を覆しても不思議ではない。
単に斤量差では語れないと考えるもうひとつの理由は、「斤量差があるにしても、こりゃあねーだろ」という決着が多いことだ。
06年11番人気3着のオリエントチャームはその次走が1000万条件5着だし、反対に昨年の勝ち馬トーホウシャインは1000万条件9着からの参戦。斤量が軽い方が有利には決まっているが、それだけを激走の根拠とするにはちょっと弱い。
そもそも、ハンデ戦になってからまだ3回しか行われていないわけでもあり、そこに一定の傾向を見出すこと自体が間違っている可能性もある。そうまで考えだすと、どうにも考えがまとまらなくなってくる。
最終的に結論を出してくれるのはオッズかもしれない。昨年はさすがに200万近い馬券になったが、3年前は9、3、11番人気決着のわりに3連単は30万円強。あまりに人気割れや波乱を期待する票が集まるようだと、その逆を、ということになってくる。