七夕賞はローカルのハンデGIIIという、ある意味誰でも好走が可能な条件である。
しかし、実際には適性という要素がレースでは大きく作用するわけで、七夕賞ではどのような適性が要求されるのか? ということについて考えなくてはならない。例えば福島適性なのか、ローカル適性なのか、2000mという距離の適性なのかといったことである。
そこで、今回は以下のような調査をしてみた。
福島で行われた過去10回の七夕賞(東京で施行された年があるので11年前までということになる)の1〜3着馬を集め、その馬たちのOP特別・重賞における戦歴を取る(七夕賞出走の後に走ったレースも含まれる)。そこから、七夕賞の結果は削除する。残ったレースでの成績から、「七夕賞好走馬の適性」を推測しようというわけである。
まず場所別成績を見ると、七夕賞を除いてなお福島が連対率30.3%で微差2位(1位は中京で30.4%)。回収率も単複ともにプラスなので、人気以上に走っていることが分かる。それに続くのが小倉と、いわゆる「ローカル巧者」の概念が根拠のあるものだということが分かる。
距離はというと、これは2000mがいいというわけではない。1800mや2200mのほうが連対率は高いし、もっと長い2500mのほうが連対率では上回っている。距離実績はあまり参考にならなさそうだ。
ハンデ戦とそれ以外という区分けで考えると、ハンデ戦で走った場合のほうがそれ以外に比べて連対率ではやや上となっている。ただ、回収率面では別定その他で走った場合のほうが上。ハンデ戦では主役の一角になるが、別定や定量ではチャレンジャーの立場になるような馬が七夕賞では好走しているのだろう。
今回の調査は「七夕賞後」のレースも含んでいるが、それでも七夕賞好走馬のイメージはつかめるのではないだろうか。