スマートフォン版へ

帝王賞

  • 2012年06月26日(火) 18時00分
 フリオーソの回避はなんとも残念。08、10年に続いて1年おき3度目の帝王賞制覇の可能性があっただけに。それにしても、帝王賞を2度制したのは、中央との交流になって以降はフリオーソのみ。それ以前の地方交流だった時代を含めても、中2年で4歳時と7歳時に制したチャンピオンスターしかいない。8歳にして、いまだ地方のトップとしてGI・JpnI戦線で中央勢と互角に戦っているというのは、とんでもなくすごいことだと思う。

 テスタマッタを狙う。3歳時のジャパンダートダービーが重賞初挑戦での勝利。4歳になっても川崎記念3着、フェブラリーS2着と好走したあたりでは、ダート中距離戦線の中心的存在になるものと思ったが、その後はマーチSを制した程度で重賞戦線ではあまり目立たない存在となってしまった。しかし今年のフェブラリーSでは直線一気を決め、やはりそれだけの力はあったのだと再認識させられた。前走かしわ記念3着は、1コーナーでごちゃついて流れに乗れなかったもの。大井の長い直線で突き抜ける。

 相手筆頭はランフォルセ。川崎記念ではスマートファルコンの2着。続くダイオライト記念は、フリオーソをぴたりとマークし、ワンダーアキュートとともに3頭で、4番手以下を離して先行。これが緩みのない厳しいペースで、直線でフリオーソ、そしてワンダーアキュートが失速。平均ペースで進んだ4番手集団からピイラニハイウェイ、トーセンルーチェがゴール前一気に追い込んできたが、ランフォルセだけはしのいで見せた。前走かしわ記念で離れた4着は距離不足。2000m以上の長丁場で力を発揮する。

 ゴルトブリッツが本格化か。大井2000mは10年の東京大賞典で7着だったが、これはまだ500万下を勝ったばかりでの格上挑戦。3走前のみやこSは心房細動だったらしく参考外で、その後休養から復帰すると、仁川S、アンタレスSを強い勝ち方で連勝。ダートのトップレベルでも通用するのかどうか、今回、あらためて試される舞台となる。

 エスポワールシチーは、2年ぶりのJpnI勝ちが、かしわ記念3勝目。フリオーソを競り落としての勝利には価値があるが、得意の舞台はやはりマイルだと思う。フリオーソは回避となったが、大井2000mが舞台でまったく同じ展開になれば、フリオーソのほうに分があると思うのだが、どうだろう。今回は△まで。

 ダイオライト記念では、フリオーソ、トーセンルーチェの兄弟対決が実現し、展開的なことがあったとはえ、なんと弟のトーセンルーチェが先着。とはいえ実績的にはまだまだフリオーソが断然で、トーセンルーチェは今回、兄不在のぶんまでがんばれるか。

 兵庫大賞典を楽勝したオオエライジンは、ここを目標に仕上げてきた。中央馬との対戦では、兵庫ゴールドトロフィー3着に、佐賀記念は5着だが、どちらもそれほど差をつけられたわけではない。しかしさすがにこのメンバーに入ると勝ち負けまではどうか。

 ミラクルレジェンドは、ラヴェリータが引退した今となっては牝馬同士なら敵なし。翌週のスパーキングレディーCにも登録があるが、こちらを使ってきた。前走東海Sは5着だが、勝ったソリタリーキングからはコンマ2秒差とそれほど差はなかった。相手強化のこのメンバーに入ってどこまでやれるか。

◎08.テスタマッタ
○02.ランフォルセ
▲07.ゴルトブリッツ
△13.エスポワールシチー
△03.トーセンルーチェ
△01.オオエライジン
△12.ミラクルレジェンド

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング