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ジャパンダートダービー

  • 2012年07月10日(火) 18時00分
 デビューからダートのみを使われ、ここにきて充実してきたホッコータルマエを狙う。前々走端午Sは、勝ったハタノヴァンクールとタイム差なしの3着。そして前走ユニコーンSと同日に行われた古馬1000万下の青梅特別は、同じ3歳のエアハリファと直線一騎打ちの末、3/4馬身差で振り切った。このときの上り3Fが35秒3。今回、これといった逃げ馬がなく、このホッコータルマエかオースミイチバンが先行するスローペースが予想され、大井の長い直線で末脚が生きる。

 ハタノヴァンクールは、芝の2戦は二桁着順だが、ダートは4戦4勝という成績が示すとおりのダート馬。そのダート戦はいずれも右回り1800mで、大井の2000mも似た形態。後方追走でも、早めに好位にとりついて差し切る脚はある。

 オースミイチバンは、ユニコーンSではストローハットの2着だったが、スタートで出負けして最後方からとなり、さらには兵庫チャンピオンシップを勝ったことで他の牡馬より1キロ重い57キロを背負っていた。いちばん厳しいレースを経験しているのはこの馬かもしれない。

 芝のクラシック路線を使ってきたトリップは、今回が初ダート。とはいえ、父クロフネ、そして母は船橋・クイーン賞を制したビーポジティブという血統から、むしろダートでこそ力を発揮しそう。近年の連対馬では、コスモファントム(10年2着)、サクセスブロッケン(08年1着)、スマートファルコン(同2着)が皐月賞や日本ダービーからの参戦で、やはり芝のクラシックに出走する馬は能力の絶対値が高い。

 ストローハットは、共同通信杯でその後皐月賞を制したゴールドシップの4着があり、ダートに路線を変えて500万下からユニコーンSと連勝。主戦の福永騎手はアメリカ遠征で不在だが、乗替るのが内田博幸騎手というのは舞台が大井なら心強い。

 フリートストリートはダートで3連勝。とはいえ今回は5カ月ぶりの実戦。ヒヤシンスSの内容では今回のメンバーが相手では厳しそうだが、上積みがあれば通用する可能性も。

 JRA勢は能力拮抗で、どの馬が勝ってもおかしくない。対して地方勢は、東京ダービーの勝ちタイムが2分6秒8で、過去のこのレースの勝ちタイムから少なくとも2秒から3秒はタイムを縮めなければ勝ち負けになりそうもない。過去には2分6秒台の決着もあったが、そういう年は、やはりレベルがあまり高くなかった。今年のJRA勢は、おそらくレベルが低いということはない。それゆえ地方勢が馬券にからむのは、かなり厳しいと思う。

◎ホッコータルマエ
○ハタノヴァンクール
▲オースミイチバン
△トリップ
△ストローハット
△フリートストリート

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1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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