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オーバルスプリント展望

  • 2012年09月12日(水) 18時00分
◆オーバルスプリント
(9月13日 浦和 サラ3歳以上 別定 JRA・地方交流重賞 1400m)

 オーバルスプリントは、前身テレビ埼玉杯。平成17年に距離変更(1900→1400m)、次いで19年レース名もリニューアル、以後7年が経過した。そして昨年から出走枠がJRA、地方他地区所属馬にも振り分けられ、実質jnpIII、さきたま杯・秋という位置までそのグレードを上げている。昨年第1回優勝はダイショウジェット、2着トーホウドルチェ、いきなりJRA勢のワンツーだった。

 ただ今年の顔ぶれ。そのダイショウジェットは出てきたものの、セイクリムズン、スーニ、セレスハント、この路線を牽引するJRA看板馬は軒並み回避、地方側もナイキマドリード、ラブミーチャン、ジーエスライカー、代表格の快速馬はすべて姿をみせなかった(大半が10月3日大井・東京盃照準)。JRA、地方とも、実績、ネームヴァリューという点では一枚落ち。逆にいえばここは新星登場、成長株の躍進…が一つテーマになるのだろう。推理と馬券上のポイントは“力接近”であり“波乱含み”。なお、以下データ欄は、距離変更後7年間の数字をひとまずまとめた。

(1)…小波乱。1番人気[3-0-1-3]、2番人気[2-1-1-3]、3番人気[0-3-1-3]。極端な波乱はないかわり、人気馬同士でも収まりにくい。昨年は4→2番人気、馬単1430円。

(2)…JRA優位。南関東限定当時は、船橋=3勝、2着2回、川崎=2勝、2着1回と勢力を二分したが、前述通り条件変更の昨年、いきなりJRA勢のワンツー。層が厚いというしかない。

(3)…性齢微妙。4歳=3勝、2着1回とリードするが、6歳=2勝、2着3回も肉薄する。昨年優勝ダイショウジェットは8歳だった。牝馬[0-1-1-2]。出走自体が少ないがアベレージは悪くない。

(4)…自在型。逃げ=3、先行=3、差し=8。好走馬のレースぶりは多彩だが、前々からもうひと伸びが理想的。順調に使われている馬が強く、過去7年、3か月以上の休み明けは連対がない。

※データ推奨馬
 ◎トーセンピングス…キャリア豊富な6歳馬。距離万能(千ニ〜千七まで連対)、自在性が大きな強みで、前々走さきたま杯・4着もスーニに先着だから価値がある。地元浦和リーディングを走る小久保智厩舎は20年、同経緯(JRA出身・準オープン)のトーセンラヴで優勝。今回エース・戸崎騎手を配してきた。

 ☆  ☆

◎ピエールタイガー 54御神本
○ダイショウジェット 54柴山
▲デュアルスウォード 54武士沢
△トーセンピングス 54戸崎
△スエズ 54川田
△アースサウンド 52後藤
△トーセンアレス 54張田
 トウホクビジン 52杉村

 ピエールタイガーに期待した。道営→南関東、通算[11-3-2-6]の4歳馬。とりわけ今季マイル路線に固めてからの本格化はめざましく、1〜7月、川崎A級を5連勝、内2戦を1分38秒台で乗り切っている。カコイーシーズ×ダイタクヘリオスの血統背景。いわゆるワンペース、力任せの先行型と想像でき、そう考えると、今回小細工なし、ストレート勝負の浦和千四は、条件ベストのイメージが沸く。

 前述通り今回JRA、地方とも顔ぶれは一枚落ち。結果人気ほど走れなかった前2走(2、5着)も、一つ経験にはなっただろう。今回新コンビ・御神本J。行きたがる気性の馬だけに、この起用は的を得ている。逃げるアースサウンドの2番手から捲り勝負か。

 昨年覇者ダイショウジェット。当時独走の5馬身差、再び手ごろな相手、別定54キロからはV2十分だが、今回除外(右前肢跛行)後で4か月のブランク、酷暑で乗り込みが遅れた事実もある。底力とコース適性でどう相殺するか。馬券的にはオッズと相談して取捨したい。

 一方買ってみたいのは、JRA千ニ〜千六5勝の切れ者デュアルスウォード、データ欄でも推したレース巧者トーセンピングス。中でも前者は父デュランダル、南関東ダート向きの感触がある。アースサウンドは、かつてGI全日本2歳優駿でラブミーチャンの3着した快速馬だが、以後一連の内容からは早熟の印象も否めない。それなら本来距離不足でも、スエズ、トーセンアレスの底力。ともに好勝負を演じてきた顔ぶれ自体が、GII〜GIII級。時計(上がり)がかかる馬場、展開なら、ゴールぎわ逆転があって不思議ない。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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