私たちのお仕事では、プロフィール写真でお仕事が決まることもあれば、面接…いわゆるオーディションを受けて判断していただくこともあります。オーディションがあるということは、先に書類選考がなされ、それに受かれば面接へと進むということです。
選考では大概必要とされるのは、たった1人。2番手じゃダメなんです。オーディションを開いた側から終了後に「最後の2人まで残っていました」と聞かされることがありますが、嬉しさ20%肩落ち度80%といった心持です。“お仕事が決まらなかった”という事実は事務所にも申し訳なく、なんの称号も与えられない2番手では、やはり意味がない。
ですから、競馬の世界に入ってからよく耳にする「勝たなければ意味がない」という言葉に共感します。共感はするけれども、競馬において、それはすべてに言えることではないとも思います。
たとえば未勝利戦。これは、その世代に限りのあるレースですから、最後の出走機会で勝つのと2着とは、天国と地獄ほどの差があると思います。そこまでに、どのようなドラマがあろうと現実は容赦なく進む道をはばみます。
ですが、7日深夜(日本時間)にフランスで行われた凱旋門賞においてのオルフェーヴルの2着は…。これまでの、日本馬の凱旋門賞最高着順は2着。2着が2回あります。私はその内一度をテレビ観戦していますが、それは“悔しい…だけど嬉しい2着”でした。
オルフェーヴルの2着で、日本馬の戦績は2着3回となったわけですが、今回の2着はこれまでと決定的な差があったと思います。
まず、人気を背負う立場で世界から見つめられたこと。強豪ライバルの回避はありましたが、それでも安心は出来ないメンバーのなか、大外枠からのスタートでした。
「勝った!」と思えた大外からの強襲と広がるリード。内にモタレていくもどかしい時間。ゴールまであと50mもなく、勝利を祈ったその時、刹那。ズン、と胸を撃ち抜かれたような結果が目の前に広がりました。ソレミア(牝4)に差されました。
勝てなかった喪失感はもちろんありますが、“能力的に勝てるポジションにいたが、2着だった”ということ内容は、今の日本競馬のレベルの高さを証明出来たと思います。
世界最高峰とも言える凱旋門賞で、日本馬が人気を背負って出走することが当たり前になってほしい。オルフェーヴル陣営は来年の挑戦にも意欲を沸かせているとのこと。どうか無事で、また来年私たちに夢を見せてほしいなと思います。
今週は秋華賞。やはり、ジェンティルドンナの三冠達成に期待が集まりますね。体調に陰りがない限り、同世代に敵は無しの実力にあると思います。馬券はこの馬を軸にアイムユアーズ、ヴィルシーナ、ラスヴェンチュラスに流す3連単で勝負します!