スマートフォン版へ

改修の影響は意識しすぎない方が吉

  • 2003年04月21日(月) 11時04分
 いよいよ東京競馬場がリニューアルオープンとなる。

 スタンドだけでなくコースも改修されたのでいままでのデータは厳密には使えなくなるわけだが、かといってあまり深く考えすぎる必要もないのではないかと思う。

 改修といえば、最近の例では新潟がある。その「改修されっぷり」は東京の比でなく、ほとんど別な競馬場と言ってもいいほどだ。

 しかし、それで馬券が難しくなるかというとそうではなく、むしろダート1200m・1800mなどは堅すぎて困る事態となった。今日の改修は基本的に言ってコースの紛れを無くす方向で行われるので、強い馬が普通に来る→配当が安い、ということになるのだろう。

 ちなみに、2001年1回新潟競馬では、ダート戦(36レース)で全馬均等買いした場合の回収率が単勝43%・複勝70%とかなりの本命傾向(この数値は80%が標準で、小さいほど本命傾向が強いということになる)。1番人気の回収率は単複とも100%を超えていた。一方、芝は単勝63%・複勝78%で、ダートに比べると特徴は薄いものの、少なくとも荒れる方向には行っていない。

 脚質ごとの評価も、いざ競馬をしてみないことには分からない。新潟の場合、芝1800mや芝2000m(外回り)はコーナーの数からして変わってしまったので、当然脚質別成績が激変した(逃げ・先行馬の回収率が低下した)。しかし、東京は直線が伸びるだけである。どこまで変化があるかは微妙だ。

 しかも東京の場合、もともと他の競馬場と違って差し・追込有利のコースが多かった。フローラSの行われる芝2000mにしても、ハナを切った馬の回収率が最高&プラスではあるものの、差し馬の回収率もそれほど悪くはなかった。それだけに、コース改修の影響は意外に目立たないかもしれない。

 目に見えた特徴が出てくるまでは、平常心で馬券を買った方がいいだろう。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング