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JBC展望&平和賞回顧

  • 2012年11月04日(日) 18時00分
◆JBCクラシック展望(11月5日 川崎11R サラ3歳以上 定量 JpnI 2100m)

◎ソリタリーキング 57浜中
○シビルウォー 57内田博
▲トランセンド 57藤田
△マグニフィカ 57的場文
△ワンダーアキュート 57和田竜
△テスタマッタ 57岩田
△アートサハラ 55今野

 ソリタリーキングに期待した。今季、ブリリアントC→東海S→日本テレビ盃と3連勝。それぞれ二千百、千九、千八と中〜長距離を、すべて完璧な好位差しで制している。何より大きな決定打(予想上の)は、同馬がヴァーミリアンの半弟であること。言わずもがなヴァーミリアンは07〜09年、JBCクラシック3連覇、加えて川崎記念(二千百)2勝という偉業を果たした。父はエルコンドルパサー→キングカメハメハと変わったものの、息の長い末脚、競り合っての勝負強さなど、重厚なレースぶりが、まさしく“血の重み”と実感する。王者スマートファルコン引退、後を継ぐと思われたゴルトブリッツ早逝。しかしそれを十分カバーできる本格派のステイヤーと考えたい。

 盛岡→門別、二千Gを連勝したシビルウォーが相手本線。同馬はウォーエンブレム×サドラーズウェルズの背景に、底力、成長力を感じさせ、前走に続き内田博J騎乗にも魅力が大きい。トランセンドはGI4勝、ドバイWC2着もある国際級の実力馬だが、今年2戦が期待外れで、今回7か月の放牧明け。すんなり逃げる展開が一つ条件になりそうだ。テスタマッタは距離、ワンダーアキュートは状態に微妙な部分を残しており、復活マグニフィカが、手の合う的場文騎乗でうまく流れに乗れると穴になる。大井3歳アートサハラも左回り二千百は不安なく、少なくとも先につながるレースをみせたい。

◆JBCスプリント展望(11月5日 川崎10R サラ3歳以上 定量 JpnI 1400m)

◎セイクリムズン 57岩田
○ラブミーチャン 55濱口
▲ナイキマドリード 57川島
△オオエライジン 57木村健
△タイセイレジェンド 57内田博
△ダイショウジェット 57柴山
△スーニ 57川田
 セレスハント 57福永

 セイクリムズンは“堅い軸”でいいだろう。今春から高知→大井→名古屋→浦和、交流G4連勝。そこで旧王者スーニを3度に渡り完封し、結果締めとなった5月浦和・さきたま杯は、最後後続に8馬身差をつける独走だった。流れ、展開にいっさい左右されない速さと強さ。いかにも今が円熟期と判断でき、加えて距離千四は[10-2-2-4]と絶対の自信がある。前走東京盃3着も、8〜9分の仕上げながらラスト1Fはしぶとく伸び、ここへのワンステップとみれば十分な合格点。「次を見ていてください…」。当時岩田Jのコメントを思い出す。いずれにせよ同馬はこの部門、すでに頂点を証明している。

 ラブミーチャンは“進化する天才牝馬”の言葉が当たると思う。天性のスピードが磨かれたことはもちろん、それを自在に駆使できる精神面の成長。前走・東京盃圧勝からは対セイクリムズン、互角の見方も無理ではない。▲ナイキマドリード、△筆頭オオエライジンは、記者的にはひいきでもない。前者は川崎4戦連対10割、スプリンター、マイラー、その中間に属するタイプで、後者もレベルはどうあれ千四[5-0-1-0]。完全燃焼できる舞台といえる。タイセイレジェンドは逃げ、ダイショウジェットは捲り、それぞれ持ち味が生きる形で完全燃焼。実績と貫禄のスーニはここで闘志が甦るかどうか。

◆JBCレディースクラシック展望(11月5日 川崎9R サラ3歳以上牝馬 定量 1600m)

◎クラーベセクレタ 55戸崎
○ミラクルレジェンド 55岩田
▲クィーンズバーン 55デムーロ
△ナターレ 55的場文
△アースサウンド 55御神本
△サトノジョリー 53福永
△エーシンクールディ 55岡部誠
 プレシャスジェムズ 55張田

 ここは一騎討ち、好勝負をイメージした。ミラクルレジェンドVSクラーベセクレタ。実績、対戦成績からは断然前者上位だが、クラーベには、1歳若い新鮮さ、可能性が残っている。前走・レディスプレリュード6着には正直失望。しかし当時15キロ増、心身とも少しひ弱にみえた同馬だけに、これは“新クラーベ誕生”か…とも思い直した。現実に今夏「スパーキングLC」では、伏兵スティールパスに惜敗したものの、Mレジェンドには1馬身先着。川崎千六、器用さ、機動力が生かせれば再び逆転も浮かんでくる。

 クィーンズバーンは阪神牝馬S快勝、前走GIでも見せ場を作った絶対能力。ダート千四で新馬勝ちなら大きな減点はなく、そのスピードがここでどう生きてくるか。展開上も大きなカギを握る馬だろう。同馬にダッシュがつかないと、同型ナターレ、エーシンクールディにも可能性が出る。アースサウンドは前走浦和交流GIII快勝、川崎適性も走るが、線の細さも同居し、相手強化の千六となると信頼度は高くない。それなら今春関東オークス2着、地方ダートで飛躍がありそうなサトノジョリー。この路線安定株プレシャスジェムズはジリ脚に限界を感じる。

◆平和賞回顧(10月31日 船橋 サラ2歳 定量 地方競馬交流 南関東SIII 1600m重)

◎(1)インサイドザパーク 1分43秒3
▲(2)アメイジア 1
○(3)ヒデサンスピリット 4
△(4)エスケイロード 5
 (5)ハードデイズナイト 3/4
 ……………
 (7)グレイスウォード
△(8)ドリームゴーゴー
△(11)オグリタイム

 単190円  馬複310円  馬単530円  3連複500円  3連単1720円

 インサイドザパークが鮮やかに差し切った。いつになく好スタート。1コーナー、ごく自然にイン3〜4番手に収まる形で、位置取りとしては絶好だった。

「あまりにポンと出たので、むしろ(自分が)戸惑った。実際少しカカったし、最後伸びてくれるか、正直半信半疑の気持ちもあった。ホッとしてます。直線追い出してからはイメージ通り」(左海騎手)

繰り返し書いたことだが、同馬は加速がついて重心がグッと沈む素晴らしいフォーム。この日もまさしく期待通りのパフォーマンスでラスト1Fを駆け抜けた。直線絶好のタイミングで抜け出したアメイジアを、一完歩ごとに追い詰め抜き去り、最後は明確な“1馬身差”をつけている。

 インサイドザパークはこれで通算[4-2-0-0]。重賞は前走・鎌倉記念に続く連破となった。その鎌倉記念で減っていた馬体が懸念されたが、この日8キロ増、パドックからイレ込みもなく、結果的に問題なしということだろう。依然華奢な馬体には映るものの、精神面を含め芯が強いと納得できる。タイムパラドックス×サッカーボーイの血統背景。目映いような栗毛、ピュッと切れるレースぶりなど、後者の血が濃いかもしれない。サッカーボーイ。もちろんいにしえの名馬だが、マイルCS完勝、有馬記念3着。特長を受け継いでいるとはやはり思う。

「差しがききにくい馬場をよく勝った。能力はもちろん、(調整に)難しいところがないタイプ。今後状態がよければ、次はGI(全日本2歳優駿)へ」

 ただし千六1分43秒3は、記録上物足りない(史上9位)。相手が上がって、その能力と個性が改めて問われてくる。

 2着アメイジアは好位キープから四角先頭。「いい競馬はできたが、相手の切れ味
が1枚上」(御神本J)通りとみえた。それでも同馬[2-1-2-0]。さらにパワーアップした馬体(7キロ増)など、底をみせた感はない。

 ヒデサンスピリット3着も内容は悪くない。好スタート、3番枠、任された岩田Jも自然流の先行が当然で、終始からまれる展開を粘った内容からも、次走に再び期待がかかる。ホッカイドウ勢は今回さっぱり見せ場がなかった。ハーデデイズナイト5着が善戦程度で、結局当地一線級が今回不出走ということだろう。現実に来週11月8日北海道2歳優駿=門別千八が控えている。勢力地図は、ひとまずそこで開けると判断したい。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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