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東京大賞典回顧

  • 2013年01月01日(火) 18時00分
■東京大賞典(12月29日 大井 サラ3歳以上 定量 JPNI 2000m重)
○(1)ローマンレジェンド   2分05秒9
△(2)ハタノヴァンクール     1/2  
◎(3)ワンダーアキュート     頭
 (4)ナムラタイタン       7  
△(5)エスポワールシチー     3/4  
…………………  
▲(6)フリオーソ  
△(7)トランセンド  
 (9)ボンネビルレコード       

単260円
馬複1040円
馬単1540円
3連複390円
3連単2940円

 ローマンレジェンドが激戦を力強く競り勝った。直線中ほど、逃げたフリオーソを 人気のJRA3頭が一気にのみ込み、そこから正味1ハロン、力の入る叩き合い。外 ワンダーアキュートがいったん体半分ほど前に出て、しかし最後の最後、ローマンレ ジェンドが渾身の伸びで差し返した。2着はさらにそのインから脚を使ったハタノ ヴァンクール。ひとまず今日の場合、若さと勢いに優る4歳、3歳馬が、実績上位の 既成勢力を打ち負かす…一つ新しい結果が出ている。

 「前走JCダートで乗れなかった(騎乗停止・デムーロ騎手で4着)悔しさを晴ら せた。馬にありがとうといいたいです。苦しい場面になっていい脚を長く使う」(岩田康成騎手)。半姉ミラクルレジェンド。本質的に地方(南関東)ダート向きという 背景もありそうだ。「まだ荒削りだけれどパワーは凄い。今日もゴール際だけ“本 気”を出した気がします」(藤原英昭調教師)。馬の持つ素質とスケール、相当に自 信があるからこそのコメントと理解した。「(GIを勝って)選択肢が増えたことが 一番嬉しい。来年はJRA、地方はもちろん、海外へも視界が広がる」。重い馬場に しても時計平凡(昨年スマートファルコン=01秒8)。現時点でダート頂点とは言い 難いが、その一角にとりついたことは確かだろう。

 ハタノヴァンクール2着は大井二千適性が大きいか。3頭の競り合い、手応えは最 も厳しくみえたが、そこからの持久力、勝負根性が素晴らしかった。やや古いタイプ のダート巧者。“野武士”などという言葉が当たるかもしれない。逆にワンダーア キュートは本質的にスピードと切れ味優先。今回は時計のかかる馬場が災いした。1 /2馬身・頭差。ローマンとのデッドヒートで馬体がぶつかり、人馬とも少しひるんで しまった印象も正直ある。フリオーソは、7か月半の休み明け。果敢な逃げで、“ら しい”レースはみせたものの、結果ほろ苦いラストランになってしまった。来春から は北海道「ダーレージャパン・ファーム」で種牡馬入りが決定している。もう一頭ボ ンネビルレコードもラストラン。こちらは大井競馬場・誘導馬として新しい道を歩 む。ともに長く、重厚なドラマを演じ続けてきた、南関東の歴史的スターである。前 者8歳、後者10歳。お疲れさま、そしてありがとう…としか言葉がない。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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