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本で競馬を楽しむ

  • 2013年06月28日(金) 18時00分
 毎週月曜日、私は競馬ブックを購入します。週のスタートはそこから、という習慣が10年続いています♪競馬ブックには先週末の成績を確認する事は勿論、今週末の競馬を予想する準備、牧場情報や馬の医学、海外競馬のトピックス、そして各人の競馬コラムも充実しています。それは現実の競馬を楽しむツールですが、それとは別にたまに見つけて読んでいる競馬小説で、競馬の奥深さや正義の所在を悩む事も楽しい♪

 最近、「女騎手」という文庫を読みました。蓮見恭子さんの著書で2010年に単行本で出されたものに修正を加え、2012年4月に発行された本を読みました。第30回横溝正史ミステリ大賞の優秀賞に選ばれた作品で、競馬を題材とした作品なので興味を惹きました。
 
 読む前は、アイドル的存在の女性騎手の奮闘、挫折、成功を描いたものかと 安易な想像をしながら読み始めたのですが(そうだと良いなとワクワクしながら手に取ったのです。)、あら意外。何とミステリーでした!(・ロ・)!
 
 伸び悩む主人公の女性騎手。とあるレースで久しぶりに勝利するが、そのレースのスタート直後に不可解な落馬事故があった。落馬したのは、自分の幼馴染でもある騎手だった。そこへ畳みかける様に、落馬した騎手の父親である調教師が何者かによって負傷を負う。
 
 一連の事故に納得のいかない主人公は、単独で捜査を行い始めるが、そこにはどんどんと関連する人物が現れ、人の思惑が入り乱れ、結末は悲しいものを含んでいる。
 
 ただ、トレセン内の事や、厩舎内の事情が興味深く綴られ、また、生産牧場、厩舎、馬主 其々の立場と目指す幸せ、現実を描いていて、その相違点が非常に惹きつけられるものです。と同時に、最後は“騎手の目指すものは何なのか”という、わだかまりにも似た問いかけで終わり、騎手でもない私が悩む程に騎手としての正義感について考えさせられます。
 
綺麗に乗る事が騎手の仕事か。汚い手を使ってでも勝つ事が騎手の仕事か。面白いので、読書の趣味のある方には是非お勧めです(^-^)
 
さぁ!今週から夏競馬本番!東は福島に、西は中京に開催場所を移し、函館を含めた3場開催になります。福島は例年より開催時期がずれて、芝の野芝と洋芝のバランスが違い、高速化しそうな雰囲気。ラジオNIKKEI賞ではガイヤースヴェルトに注目。前走NHKマイルカップでは5着!良い位置で競馬してくれそうなこの馬に期待しています☆(^▽^)
 

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1979年11月22日生まれ、大阪府出身。フリーキャスター・リポーター。 グリーンチャンネル「先週の結果分析」ではキャスターとして、また「中央競馬中継EAST」ではパドックアナウンサーとして出演している。

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