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プライドか

  • 2013年07月05日(金) 18時00分
 今週、何だか憎み切れないニュースを目にしました。

 御年72歳、その道50年以上の“スリ”が逮捕されるも「警察に負けたんじゃない、年に負けた。」と供述したとか。

 被害は福岡、北九州両市を中心に184件、被害総額が約1000万円に上ることを確認され、県警はうち5件の計約15万円分を送検し、捜査を終結した模様。

 驚くのは、この184件が50年間の総数ではなく、2011年8月〜今年3月でのもの。およそ1年8か月の間に184件!!!一年は365日だから・・・と計算してみると、

 約3日に1回は窃盗をしていた計算になる。70オーバーの男性が(・_・;)元気やなぁ・・・。

 捜査員の間では、伝説的な存在だったとか。と、いうことは面が割れていたという事でしょうね。

 勿論、窃盗は犯罪ですし、絶対にいけない事ですが、何だか人情さえ感じてしまうこの記事。ふと江戸時代のスリの事を本で読んだのを思い出しました。

 江戸の町に沢山出没したスリは、泥棒や強盗と違い、彼らなりのプライドを持っていたらしいです。スリの技術を子供の頃から先輩に叩きこまれ、自分たちの技術に誇りを持ち、職人芸とまで思っていたから。職人としての誇りを持っているので、自分がスリだということを隠そうとしなかったんだそうです!!!何故なら役人や町行く人にスリだとばれていても、成功させる自信があったからなんだとか。

 では、どうやって「自分はスリですよ」とアピールするか。答えは、服装です。

 秩父絹裏の布子(木綿の綿入れ)、帯、紺の筒長の足袋、晒し木綿の手ぬぐい、雪駄などをスリは身につけていたそうな。

 更に、プロのスリは髷の元結を一本一本細いひもで縛っていました。一般人はかなり太い元結で縛っていたので、この格好をしていたら、ひと目でスリだと分かる。そうした格好をしておいて、それでも奉行所の役人に気づかれずにスリをする。それが“粋”(?)。

 奉行所役人は勿論スリの顔も分かっているので、両者は常に技を競い合っていたんだとか。

 またスリの手段は上方と江戸では異なり、上方は刃物を使って着物を切りそこから抜き取ったが、江戸では刃物などは使わず指先だけで勝負したという。自分の手だけで勝負するというプライドが高かったんでしょうね、江戸のスリは。ここまで聞くと、スリが格好良くも思えてきますが、ダメです。犯罪です。

 競馬場でのこういったニュースもたまに耳にしますが、面白いものを見つけました。

 逮捕は2009年の12月29日。容疑者はギャンブル場を中心にしたスリの常習者。この日はスリの特別取り締まり期間中で、容疑者はそれを知った上でスリをしたんだそうな。スリ捜査歴13年のベテラン捜査員に見抜かれ、「俺の負けだ」と観念したという。プロのスリとプロの捜査官の矜持のぶつかり。美しい様な、美しくない様な・・・?

 競馬場だけではなく、私の友人に電車でお財布を取られたという人もいますので、服装が軽くなる今日この頃、皆様も気を緩めすぎに過ごしてくださいね☆

 今週楽しみなのは、プロキオンステークス!注目はセイクリムズン。もう7歳ですが、フェブラリーステークスではダノンカモンやシルクフォーチュンに先着。中京ダートは初めてですが、そこは鞍上の岩田騎手。小回りダートはお手の物な筈!同じく7歳馬のダノンカモン、マルカフリート。アドマイヤサガスとアドマイヤロイヤル・・・4歳馬のナガラオリオンも気になります。前走の安芸ステークスで見せた末脚は強烈。軸一頭の三連複流しにしようと思っています(*^-^*)

 古豪が力を見せつけるのか、次世代が頑張りを見せるのか、楽しみですね♪

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1979年11月22日生まれ、大阪府出身。フリーキャスター・リポーター。 グリーンチャンネル「先週の結果分析」ではキャスターとして、また「中央競馬中継EAST」ではパドックアナウンサーとして出演している。

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