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東京盃展望&レディスプレリュード展望

  • 2013年10月01日(火) 18時00分
◆東京盃展望
(10月2日 大井 サラ3歳以上 別定 JpnII 1200m)

「東京盃」は、平成8年から交流GII移行。5年後の13年にGI「JBCスプリント」が創設され、以来その最も重要なТRとしてポジションが固まった。東京盃→JBCスプリント、連破した馬は、13年ノボジャック、16年マイネルセレクト、そして一昨年スーニ。ただこのパターンは本番JBCも大井というケースであり、大井→他競馬場の連破となると、22年サマーウインド(大井千二→船橋千m)の一例しかない。事実昨年優勝ラブミーチャンは、川崎千四に変わってよもやの9着。遡れば19年フジノウェーブ、園田大敗(7着)などという歴史もあった。

 持ち回り制で出発し、今もそれが根幹となっている「JBC開催」。2つ考え方(観戦者目線)があると思う。チャンピオンコース=大井通年開催が理想という意見。対して、コース距離が微妙に変わり、それを乗り切ってこそ真の王者という意見。記者見解は、身勝手な(?)願望を含め“大井固定”だが、まあしかし、その部分は地方行政、経済面など、おそらく“オトナの問題”がからみ、単純にはいかないのだろう。ともあれ今年の場合、本番は金沢競馬場。だから今回東京盃は、それ自体がGIに近い“頂点レース”となり、大井得意の馬はなおさらのこと力が入る。昨年メンバーからラブミーチャン、セイクリムズンが抜け、代わりにテスタマッタ、ハードデイズナイトが入った組み合わせ。ラブミーチャンの直前回避は残念だが、出走16頭“旬”の馬が大半で、ワクワクするレースにはひとまずなった。

 (1)…上位拮抗。1人気[3-2-2-3]、2人気[2-3-0-5]、3人気[3-0-2-5]。全体には小波乱という傾向か。前2年、1人気セイクリムズン4、3着と敗れ好配当。

 (2)…JRA優勢。JRA=7勝、2着7、3着7と断然優勢。大井=2勝、2着1だが、優勝ハタノアドニス、フジノウェーブ、当時の強さを思うとハードルはやはり高い。

 (3)…性齢広範。5歳=4勝、2着3と優勢だが、6歳、7歳もそれぞれ2勝、3歳、8歳馬も優勝例がある。牝馬もベラミロード、アインアイン、ラブミーチャンなど活躍。

 (4)…好位差し。逃げ=2、先行=4、差し=11、追込み=3。逃げた馬は案外厳しく、好位〜中団からの差しが主流。ジョッキーでは、過去10年2勝、2着1の内田博幸。

 ※データ推奨馬
 ◎タイセイレジェンド…昨年2着の6歳馬。手の合う内田博Jが引き続き騎乗する。前走浦和「オーバルスプリント」、59キロを背負って連対確保。持続力のあるスピード型で、近走は相手なりの自在性も身につけてきた。信頼度がきわめて高い。

       ☆       ☆

 ◎ハードデイズナイト   52山崎誠
 ○タイセイレジェンド   58内田博
 ▲テスタマッタ      58岩田康
 △セレスハント      56福永
 △ティアップワイルド   56石橋脩
 △アドマイヤサガス    56川田
 △アイディンパワー    56的場文
  サイオン        56川島
  スターボード      56今野

 ハードデイズナイトを狙った。まさしくシンデレラガールの言葉が当たる3歳牝馬。デビュー時はさして目立たず(道営新馬1勝で南関転入)、しかし今春からメキメキと力をつけ、前2走「優駿スプリント」「アフター5スター賞」、重賞連破の快挙をとげた。特徴は、父サウスヴィグラスらしいスピードと切れ、さらに競馬センス。とりわけ古馬初挑戦などどこ吹く風、直線外から一瞬のうちに差し切った前走には、誇張でなく息をのんだ。当時千二1分11秒5も、ゴールぎわの余裕を思えば胸が張れる。50→52キロならまだまだ恵量。3歳ハイレベルからも一気に頂点の夢が浮かぶ。

 JRA勢の比較。前走「オーバルスプリント」、59キロを背負い連対を確保したタイセイレジェンドは、総合能力、目下の状態を合わせ、最も信頼できそうだ。手の合う内田博J。自身のスタート、相手の出方しだいで自在戦に構えるだろう。GI2勝、前走「さきたま杯」で爆発力健在を示したテスタマッタは、道中の位置取りと折り合いが鍵になる。ただJRA新馬勝ちは右回りダート千二。今回条件はイメージほど悪くない。セレスハント、ティアップワイルドは、一貫Tレジェンドの好敵手という戦歴で、好スタートから流れに乗れれば食い込み可能。以下、JRAダート4勝(千四)、ここで新境地を探るアドマイヤサガス、混戦でしぶとさを秘めるアイディンパワーも、展開ひとつで脈がある。

◆レディスプレリュード展望
(10月3日 大井 サラ3歳以上牝馬 別定 JpnII 1800m)

「レディスプレリュード」は、一昨年新設された牝馬交流重賞。今年3年目、晴れて“JpnII”に格付けとなった。前身は16〜22年、同時期、同条件で行われていた「TCKディスタフ=主催者公称・第10回」だが、当時は地方競馬限定メンバー。16年プルザトリガー、17年ジーナフォンテン、22年ザッハーマインなど…名牝級はポツリポツリと勝ったものの、やはりGIIとなると、レースレベルが大きく違う。実際、一昨年〜昨年とミラクルレジェンドが見事な連覇。とりわけ一昨年第1回は旧女王ラヴェリータと壮絶な一騎打ち。千八=1分49秒6、驚異的なレコードのおまけがついた。

 牝馬Gの愉しみ。記者の場合、“牝馬の域を超える牝馬”を見たいといつも思う。ラヴェリータ、ミラクルレジェンドはまさしくそんな存在だった。牡馬相手のGI、フェブラリーS、JCダート、帝王賞。金星こそなかったものの、それぞれ100%個性を生かして常に接戦、あわやという見せ場を作った。2強が競馬場を去り、世代交代が進みつつある今年。はたして彼女らに匹敵する本物の女傑、名牝が出てくるかどうか。JRA勢候補といえばまずメーディア、そしてレッドクラウディア、アムールポエジー、地方勢ならアスカリーブル。現時点いずれもまだまだフレッシュで、夢と可能性を残している。11月4日「JBCレディス=金沢1500m」はもちろん、さらにその先を描ける戦い。舞台がチャンピオンコース“大井1800m”だから、なおさらという思いもある。

        ☆       ☆

 ◎メーデイア      55濱中
 ○アスカリーブル    56今野
 ▲レッドクラウディア  55福永
 △クラーベセクレタ   55御神本
 △アムールポエジー   54岩田
 △セイカフォルトゥナ  55戸崎
 △アクティビューティ  55吉田隼
  アドマイヤインディ  55宮川
  シャイニングサヤカ  55岩橋

 前フリは“上位拮抗”のように書いてしまったが(希望的見解)、現実にメーディアの能力は一枚どころか、二〜三枚抜けているように実感する。今季地方G参入から3戦3勝。ことごとく3〜4コーナーほんのひと気合で捲り切り、終い余裕残しで独走した。500キロ超、雄大な馬格を誇り走法もきわめてパワフル。南関東ダート適性はもちろん、自身の潜在能力、本格化がそのまま出た結果ととれる。今年1月、出世レース「ТCK女王盃」、大井千八を5馬身差圧勝劇。タイプはパワー優先、先行してもうひと伸びしたファストフレンド(東京大賞典など交流G9勝)などとタイプが近い。腕があり、加えて地方実績も高い鞍上なら信頼できる。

 対抗アスカリーブルは、関東オークスを含む重賞5勝。好走時のインパクト(一気の捲り)は、ここに入って見劣りしない。前2走、園田→水沢を取りこぼした形(1番人気=2、2着)だが、レースぶり自体は正攻法で悪くなかった。メーディアを除けば一長一短のJRA勢。今回人気の盲点というイメージがある。本来ポスト・Mレジェンドの位置にいたはずのクラーベセクレタは何とも微妙。稽古など走っても実戦で火がつかず、今回馬券というなら、パドック等の気配、オッズしだいというしかない。メーディアに3戦3敗のレッドクラウディアは、今回新コンビ・福永Jがどう乗るか。3歳アムールポエジーはやや恵まれた関東オークス勝ちで、今回1つ経験とみて狙いを下げた。それなら充実度でセイカフォルトゥナ、大井適性でアクティビューティ。ともに混戦向きのしたたかさがありそうだ。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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