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全日本2歳優駿回顧

  • 2013年12月24日(火) 18時00分


◆全日本2歳優駿回顧
(12月18日 川崎 サラ2歳 定量55キロ JpnI 1600m梢重)

 ◎(1)ハッピースプリント   1分40秒4
  (2)スザク           1.1/2
 △(3)サーモピレー         6
 ○(4)マキャビティ         首
  (5)ダイチトゥルース      1/2
 …………………
 △(6)メイショウイチオシ
 ▲(7)ブラックヘブン
 △(8)ニシノモノノフ
 
  単250円  馬複1710円  馬単2750円  3連複15630円 3連単53630円

 ハッピースプリントが別格の強さをみせた。道中好気合の3番手、4コーナー、逃げるスザクの直後に追い上げた時点で実質上は勝負あった。直線Goサインが出るや、馬場の真ん中から一瞬のうちに突き抜けた。数字は1.1/2馬身差だが、インパクトといえば明らかにそれ以上。「思ったより前半の行き脚がよかったし会心のレースができた。初めての左回りも終始スムーズ。走る能力はもちろん、賢くて乗りやすい」(宮崎光行騎手)。千六=1分40秒4はレース史上、ラブミーチャン(21年=40秒0)に次ぐ第2位。馬場状態(21年不良)を思えば互角以上の見方ができる。

 ハッピースプリントは、アッミラーレ×マーゴーン(デイジュール)、520キロ台の牡馬。確かに巨漢だが、パドックでみる馬体などバランスがよく柔らかで、歩様、身のこなしなどもごく“自然体”という印象がある。これでダート5戦5勝、同世代の頂点へ昇りつめた。「早め(12月4日)に川崎入厩、思い通りの調整ができていた。それでもGIを勝つのは大変なこと。ちょっといない馬ですね。これからどこまで伸びていくのか」(田中淳調教師)。師のコメント“ちょっといない馬”には実感がこもっていて、実際今日の競馬はそれを証明するものだった。陣営からは「ドバイ・UAEダービー」挑戦のプランも聞かれた。この先順調に事が進めば、大仕事の可能性も十分描ける。

 2着以下は、馬場状態(先行有利)と展開が大きなウェイトを占めたと思う。それでもスザクのスピード能力は額面通り。千m通過61秒4は2歳馬には厳しいラップで、勝者別格にせよ自身上がり39秒3なら、父キングカメハメハらしい成長力、学習能力が特筆できる。

 3着サーモピレーは御神本J好騎乗。パワー、持久力に不安が残る同馬を内め先行、終始ロスのない競馬をさせた。馬自身もここで折り合いを覚えたはず。クロフネ×トニービンの背景からはもうひと皮むけるだろう。

 マキャビティ、ダイチトゥルース、メイショウイチオシ、ひとからげにはできないものの、総じて川崎千六は忙しすぎたと納得する。よもやの8着ニシノモノノフもハイペースを自ら勝ちに行く競馬だから内容は合格点。あとは距離克服のスタミナが今後のテーマか。▲大井ブラックヘブンも中団キープからじわりと差を詰め、結果7着ながら強敵相手に収穫はあっただろう。上位と2秒ほどの差を今後どう詰めてくるか。記者的には南関陣営全体、結果はさておき、“意気”“挑戦”を再び示してほしいのだが。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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