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東京大賞典展望

  • 2013年12月28日(土) 18時00分
◆東京大賞典展望
(12月29日 大井 サラ3歳以上 定量 GI 大井2000m)

 JRA最終日から中5日、日曜日の「東京大賞典」。昨年に続き主催者サイドには絶好のカレンダーとなった。「有馬がダメなら大賞典…」とは、首都圏競馬ファン、年末の合言葉ともいえるもので、実際こういう日程になると、入場者数、売り上げとも相当量にアップする。人間(競馬ファン)の心理とは改めて微妙と思う。例えば有馬記念の翌日、翌々日あたりでは盛り上がらず、逆に1週間を過ぎてしまうと何やら気持ちが冷めてしまう。おそらく中5日が絶好なのだ。記者テリトリーの都合からはこのカレンダーが理想的だが、むろんそれは巡り合わせに頼るしかない。

 さて今年の顔ぶれ。フリオーソ引退から早くも1年、南関東(他地区含め)から救世主は誕生せず、とりわけ中距離部門に関して“長き冬の時代”を痛感する。ただ、いかにも豪華できらびやかだった「ジャパンカップダート」組から主力馬が参戦し、全体の骨組み(メンバー構成)はしっかりしている。本音は少し寂しいけれど、日本ダート界、そういう括りからは意義深い“グランプリ”になるのだろう。もう一つ、繰り言を承知で書けば、「東京大賞典」は以前の本格的な“長距離”に戻してほしい。帝王賞、大賞典を同舞台、同距離で1年に2度施行するナンセンス。実際今回顔ぶれは、仮に2600mあたりでも、大半がドント来いのイメージがある。平成8年キョウトシチー、続く9年トーヨーシアトルは3000m優勝馬。能力=個性は等分に評価されるもの。記者自身はそう思う。

 (1)…おおむね順当。1人気[3-2-2-3]、2人気[4-3-1-2]、3人気[2-2-2-4]。典型的な上位拮抗で、馬券的には軸馬選択が鍵になる。昨年は3→1人気の決着ながら馬単1530円。

 (2)…JRA優位。JRA=8勝、2着7、3着10。JRA断然は言わずもがなで、過去10年アジュデイミツオー(2勝)、フリオーソ(2、3着)以外、南関好走は例がない。他地区も[0-0-0-17]。

 (3)…意外に新鋭。4歳=4勝、2着2は特筆できる。大賞典…のイメージより若い馬が活躍する傾向で、3歳馬も1勝、2着2、3着2だから軽視できない。昨年ハタノヴァンクール2着。

 (4)…好位差し。逃げ=4、先行=5、差し=11、追込=1。大井2000m一般の傾向通り、好位〜中団から差しが理想。過去10年、連対20頭中14頭までがJCダートに出走している。

 ※データ推奨馬 ◎ワンダーアキュート…全盛時のスマートファルコンに鼻差と迫った一昨年「大賞典」はまだ記憶に新しい。大井2000mに抜群の適性があり、今季7歳ながら、前走JCダート2着など依然ピークを維持している。鞍上・武豊騎手、大賞典[5-2-1-1]。この数字も驚異的というしかない。

       ☆       ☆

 ◎ホッコータルマエ   57幸
 ○ワンダーアキュート  57武豊
 ▲ローマンレジェンド  57岩田
 △ニホンピロアワーズ  57酒井学
 △プレティオラス    57本橋
 △サトノプリンシパル  55北村宏
  カキツバタロイヤル  57本田重

 ホッコータルマエが今年を締める。文字通りまたたく間にダート頂点まで駆け昇った4歳馬。今季統一G5勝は、佐賀、名古屋、船橋、大井、金沢、すべて異なる競馬場であげただけに絶大な価値があり、それも一貫勝負どころで自ら動く正攻法。競走能力はもちろん、環境、コース、展開、いっさい左右されない精神力に、毎回心底驚かされた。前走JCダート3着は相手の大駆け、そうでなければ騎乗ミス(抜け出してソラを使った…幸騎手コメント)。確かに強行軍だが、同馬にはそれさえ杞憂にしてしまう、男っぽいしたたかさとパワーを感じる。

 馬券を“3連単”に絞れば、ワンダーアキュート、ローマンレジェンド、ニホンピロアワーズの序列をどうつけるかがすべてになる。熟練、底力、さらに鞍上を加味してWアキュート=2着にとりたい。Rレジェンド、ハタノヴァンクールに最後差された昨年は逃げ馬不在で折り合いひと息。今年の場合、その役をおそらくNアワーズが務めてくれる。当日天候に変化がなければ少し時計のかかる良馬場だろう。タルマエ、アキュートが一緒に抜け出し、そこにレジェンドが襲い掛かる競馬をイメージした。大井プレティオラスもそこに肉薄してほしいが、ごく客観的にはスピード面で善戦までか。JRA3歳サトノプリンシパルも近走古馬の壁に当たっている。一つ経験を積む戦いになりそうだ。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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