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ユングフラウ賞展望&報知グランプリカップ回顧

  • 2014年02月18日(火) 18時00分


◆ユングフラウ賞展望
(2月19日 浦和 サラ3歳牝馬 別定 南関東SII 1400m)

「ユングフラウ賞」は平成21年SIII、平成24年にはSIIに昇格し今年ようやく第6回目。しかし桜花賞TRとして実質上の歴史は古く、平成2年から準重賞格でスタート(昭和時代は“桃の花特別”のタイトル)、以後24年間、同距離(1400m)、同条件(別定54〜56キロ)で施行されてきた。1〜3着馬に本番(3月27日)優先出走権。浦和桜花賞の場合、コース形態上11頭がリミットだから、TRの意味(出走権確保)はかなり大きい。とりわけ近年はTR→本番が直結する傾向で、前3年優勝馬、クラーベセクレタ、アスカリーブル、カイカヨソウ。少なくとも統一Gレベルを含め、地方勢=明日の女傑――夢を賭けたい重賞にはなっている。さて今年のメンバー。昨暮れ「東京2歳優駿牝馬」、その上位組がおおむね顔をそろえ、レベル自体悪くない。春の主役、その主導権を握る馬はいったいどれか。今回“試金石”という存在が多いだけに、よりいっそう興味がわく。

 (1)…波乱含み。1人気[4-1-0-5]、2人気[1-2-1-6]、3人気[4-1-2-3]。近年堅め(女傑出現)だが、元来は上位拮抗で波乱含みか。昨年は1→6→4人気で、3連単3550円。

 (2)…3場所拮抗。船橋=6勝、2着2と伝統的に強いが、川崎=2勝、2着6、大井=2勝、2着1と肉薄する。一昨年は船橋→川崎→船橋、昨年は船橋→川崎→大井のワンツースリーで決着した。

 (3)…実績必要。優勝馬平均キャリア=7.1戦、同2着馬=6.2戦。ある程度実績、経験が必要で、重賞初挑戦のケースは楽観できない。連対20頭中、11頭まで「東京2歳優駿牝馬」出走組。

 (4)…末脚勝負。逃げ=3、先行=6、差し=7、追込=4。小回り1400mのイメージに反し、差し追い込み馬が台頭する。昨年カイカヨソウは向正面6番手、イチリュウは8番手からのワンツーだった。

 ※データ推奨馬
 ◎ブルーセレブ…昨暮れ優駿牝馬(SI)ウィナー。同レース勝ち馬は出走例が少ないが、現実にクラーベセクレタ、カイカヨソウと2戦2勝。総合力で一歩リードは間違いない。闘志に火がついて圧巻の末脚。父アサクサデンエンは安田記念馬、短〜マイルで抜群の切れをみせてきた。鞍上・森泰斗騎手はユングフラウ賞、3度の騎乗で3着2。

       ☆       ☆

 ◎ノットオーソリティ   55石崎駿
 ○ブルーセレブ      56森
 ▲タントタント      54坂井
 △ストロベリーラン    54山崎誠
 △イグレシアス      55吉原
 △コマンドゥールキイ   54御神本
 △ラブミーブルー     54真島
  アッリヴァーレ     54的場文
  マリアンズクック    54町田
  シャークファング    54矢野

 ノットオーソリティの真価が問われる1戦だろう。前走「優駿牝馬」5着(単オッズ1.3倍)。しかし内容は文字通り敗れて強しで、スタート直後大きくつまずき落馬寸前。それでいて3〜4コーナー大外を豪快に捲りあげ、いったん突き抜けるかのシーンがあった。道営4戦3勝、エーデルワイスS=GIII4着。血統(父スウェプトオーヴァーボード)を含め1400m〜1600mベストの印象で、今回改めて世代牝馬No.1を示す舞台といえる。ゆったり伸びやかな馬体、走法。本来競馬センスに優れ初コースも気にならない。

 ブルーセレブはその優駿牝馬を豪快な大外一気。前崩れの展開にせよズバ抜けた爆発力で、地元川崎1500m「若武者賞」を同様のレースぶりで勝っているだけに、今回初コース1400mも十分対応可能な計算が立つ。

 もっとも、ごく普通に浦和1400m向きをイメージすればタントタントか。優駿牝馬4着、桃花賞2着。順調にキャリアを積み、持ち前の先行力に粘りを増した。

 逆にストロベリーランは混戦向き。優駿牝馬2着、現実に上がり39秒台をマークしたあたり、小柄(410キロ台)でも精神面の強さを感じる。

 以下、金沢4戦全勝、優駿牝馬も内容は悪くない(0.4秒差)イグレシアス、大井2勝、瞬発力が光るコマンドゥールキイ、道営GIII2着、当時オーソリティに先着したラブミーブルーと序列をつけた。馬券的には当日の気配、さらにオッズを勘案したいレースではあると思う。

◆報知グランプリカップ回顧
(2月12日 船橋 サラ4歳以上 別定 南関東SIII 1800m)

  (1)オメガインベガス  1分53秒8
 ◎(2)サミットストーン  2
 ○(3)ゴールドバシリスク 首
 △(4)タマモクリエイト  3
  (5)ジェネラルノブレス 鼻
 ………………
 △(8)トーセンルーチェ
 △(9)サトノデートナ
 △(11)プレファシオ
 ▲(12)インサイドザパーク

  単270円  馬複600円  馬単1090円  3連複1400円  3連単4880円

 オメガインベガスが逃げ切った。先行有利の馬場、軽量51キロ、確かに条件も恵まれたが、1000m通過61秒1のラップ自体はかなり厳しく、それでいて直線並んできたサミットストーンを突き放したのだから、十分胸の張れる勝利といえる。「スタートが決まり、ごく自然にハナが切れた。力がある。道中スムーズならこれくらい走れる馬です」(戸崎圭太騎手)。同Jはオメガとのコンビ、5戦3勝。いかにも呼吸が合っている。

 オメガインベガスは、スペシャルウィーク×ベガスナイト(コロナドズクエスト)の4歳牝馬。オープン実績は昨夏「関東オークス」2着だけだったが、この日のレースを見る限り潜在能力が相当高い。今季船橋転入、状態が大きく上がっていたこと、鞍上が文字通り100%の競馬をしたこと。「斤量差があるにせよ強い勝ち方。こちらの水が合っているし、さらに成長があると思う」(出川克己調教師)。女王メーデイア引退。中距離志向、本格派というタイプだけに、今後交流牝馬Gで夢が大きい。

 サミットストーン2着。今日の場合は内容を含め完敗だろう。ただ馬体作りなどまだ余裕残しで次走あたりがおそらくピーク。距離適性も今回の結果で1800m前後とはっきりした。3着ゴールドバシリスクは追い込みにくい馬場をインから伸びてサミットに首差。こちらもJRA実績(1200m〜1400m4勝)以上に中距離適性が高い。4着タマモクリエイト、5着ジェネラルノブレスも善戦だが、前者は末一手、後者は逃げベスト、展開しだいの感は否めない。追走に終始したトーセンルーチェ、インサイドザパークは期待外れ。とりわけ昨春ダービー馬後者凡走には落胆した。今後復活があるかどうか。元来不器用な差し馬だけに、気力が戻ってこないと苦しくなる。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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