秋華賞ではスティルインラブが見事に牝馬三冠を達成した。
と同時に、これまで鬼門とされてきた秋華賞で、サンデーサイレンス産駒がワンツーフィニィッシュ。また、3歳以上の芝G1では4着止まりだったティンバーカントリー産駒(ヤマカツリリー)が3着で馬券に絡み、二重にジンクスが覆されたことになる。
「サンデー・サンデー・ティンバーカントリー」という1・2・3着は、血統屋さんにとっては地獄のような結末であり、それだけでなく、「強い馬・強い馬・うまい騎手」という決まり方は、適性をベースに穴を狙おうとする馬券師にとって厳しい結果でもある。
私個人は意地があるので菊花賞も適性重視の穴狙いをするつもりだが、一方で、2週連続の「単純決着」もありうるという話を書いておきたい。
菊花賞は施行時期やステップレースが変わっているので単純な調査には問題があるが、とりあえずそれは横に置いて話を進めよう。
まず、上がり馬が意識される菊花賞といえど、格下のクラスから連対馬はまず出ない。過去10年・20頭の連対馬のうち、前走条件戦から連対したのはマイネルデスポットだけ。前走オープン特別からはヤシマソブリンだけで、こちらはダービー3着馬だから上がり馬とは言い難い。
残り18頭は全て前走G2。今年の場合、神戸新聞杯とセントライト記念のみを意識しておけばいいことになる。
しかも、東西比較では神戸新聞杯と旧京都新聞杯が優勢で、セントライト記念は旧施行時期を合わせ圧倒的に分が悪い。
さらに、18頭中15頭までは前走4着以内で、昨年のような結果は例外中の例外ということになる。
この段階で候補はゼンノロブロイ、サクラプレジデント、ネオユニヴァース、リンカーンとなり、セントライト記念組のどれかが割って入らないかぎり、好配当は見込めない。
その中から突破口があるとすれば、サクラプレジデントの激走だろう。前走G2組は前走着順がそのまま本番でもモノを言う傾向があるので、「本番ではネオが巻き返すと見せかけて、またサクラが頑張る」というシナリオはありうる。
先述したように私自身は全くアプローチ方法が違ううえにサクラは低評価なのだが、「単純に強い馬で決まるシナリオ」を支持する方にとっては、サクラプレジデントも悪くない選択肢である。