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トゥザグローリー、トゥザワールドの全妹トーセンビクトリー

  • 2014年06月18日(水) 12時00分
カービングパス(牝・美浦・藤沢和雄 父ハービンジャー、母ハッピーパス)
 母ハッピーパスは京都牝馬S(GIII)の勝ち馬で、シンコウラブリイ(93年マイルCS-GIなど重賞6勝)の半妹にあたる良血。04年に引退後、繁殖生活に入ったが、妊娠しにくい体質でしばらく子宝に恵まれなかった。そして、スタッフの努力が実ってようやく授かったのがラヴェルソナタ(父ファルブラヴ/3勝)。2番子はパストフォリア(父シンボリクリスエス/4勝)、3番子はコディーノ(父キングカメハメハ/12年札幌2歳S-GIII、12年東京スポーツ杯2歳S-GIII)、4番子はトレクァルティスタ(父キングカメハメハ/1勝)。上が全頭外れなく走っているように、繁殖牝馬としてのハッピーパスの能力はきわめて高い。本馬の父は新種牡馬ハービンジャー。晩成型のステイヤーでスピード面に難がありそうなタイプだが、母の力で走らせてしまう可能性はある。牝馬なので仕上がりの早さと柔らかさが伝わっていれば楽しみ。

ジェイポップ(牡 栗東・吉田直弘 父クロフネ、母ポップス)
 目黒記念(GII)を2連覇し、ジャパンC(GI)、有馬記念(GI)、メルボルンC(豪G1)で2着となったポップロックの半弟。カノンコード(OP)、ルグランヴォヤージ(準OP)の全弟でもある。「クロフネ×サンデーサイレンス」の組み合わせはフサイチリシャール(05年朝日杯FS-GI)やユキチャン(08年関東オークス-GII)をはじめ多くの活躍馬が出ている。上記のカノンコードは芝向き、ルグランヴォヤージはダート向きと、全兄弟でも違ったタイプに出ている。Icecapede 4×4のクロスがあるので、6:4でダートのほうがいい配合で、確実に勝ち上がってきそう。不安があるとすれば母が20歳時の産駒という点だけ。

シュヴァルグラン(牡 栗東・友道康夫 父ハーツクライ、母ハルーワスウィート)
 ヴィクトリアマイルを連覇したヴィルシーナの4分の3弟。ディープインパクトからハーツクライに父が替わった。母方の近い世代にMr.ProspectorとNureyevを併せ持つ、という視点から見るとオークス馬ヌーヴォレコルトと似ている。また、Glorious Songの全兄弟、Mr.Prospector、Northern Dancerを併せ持つ、という視点から見るとダービー馬ワンアンドオンリーに似ている。オークス馬とダービー馬を混ぜたような配合なのでおもしろい。晩成傾向があるハーツクライ産駒ながら仕上がりは早そうだ。マイル以上の芝で本領を発揮する。

デヴァスタシオン(牡 栗東・鮫島一歩 父ゼンノロブロイ、母カチバ)
 2013年のセレクトセール1歳で落札価格7200万円(税抜)。この年のセレクトセールに上場されたゼンノロブロイ産駒の1歳馬15頭のなかではトッププライスだった。準OPまで出世したアイアムルビー(父Saint Liam)、現3歳で500万下2着の成績があるトーセンマイティ(父ダイワメジャー)の下。姉と兄はいずれもダート短距離を主戦場としている。母カチバはバーバラフリッチーH(米G2・ダ7f)の勝ち馬で、近い世代にStorm Cat、Private Account、Vice Regentを併せ持ち、アメリカ的なパワーを感じさせる配合。この特徴が産駒にも表れている。たとえばディープインパクトは、自身が柔らかな体質なので、Storm Catを含んだ繁殖牝馬との交配は「柔×硬」でうまくバランスが取れる。しかし、ゼンノロブロイは硬めのアメリカ血統で構成されているため、同じく硬めのアメリカ血統と交配すると「硬×硬」でダート向きに出やすい。おそらく本馬もダート路線を歩むことになるだろう。距離はマイル前後がベスト。

トーセンビクトリー(牝 栗東・角居勝彦 父キングカメハメハ、母トゥザヴィクトリー)
 母トゥザヴィクトリーはエリザベス女王杯(GI)など重賞4勝、ドバイワールドC(G1)2着などの戦績がある。国内外を問わずタフに頑張った馬だが、産駒は丈夫さに欠けるのか競走馬として仕上がらないケースが目に付く。ただ、父にキングカメハメハを持つ産駒はその傾向が薄く、トゥザグローリーは日経賞(GII)、京都記念(GII)など5つの重賞を、同じく全兄トゥザワールドは弥生賞(GII)を制した。本馬はその全妹。血統的なポテンシャルは素晴らしいので、健康面に問題がなければトゥザグローリー、トゥザワールドのような大物となる可能性は十分。芝向きの中距離タイプだろう。

ルアンジュ(牝 栗東・笹田和秀 父マンハッタンカフェ、母サッカーマム)
 母の父Kingmamboはエルコンドルパサー、キングカメハメハ、アメリカンボスなどの父で、ヨーロッパで成功した血だけあってパワーに秀でている。母サッカーマムの美点はHaloが入っていること。その素軽さがKingmamboの底力と両立した形で産駒に好影響を与えていると思われる。「マンハッタンカフェ×Kingmambo」は成功しており、Halo 3×3はKingmamboの重さを緩和する働きがあるので好感が持てる。確実性が高そうな配合だ。気性に問題がなければ楽しみ。芝向きのマイラー。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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