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前走1600m戦1着馬に注目

  • 2003年12月01日(月) 11時27分
 真実は時として意外に近いところにあったりする……のかもしれない。

 阪神JFは2歳牝馬のG1ということもあって予想の手がかりが少ないレースだが、前走距離にはひとつの綺麗な傾向がある。

 前走で、本番と同じ1600mを使われてきた馬の成績が優秀だということである。

 前走1600m組の成績は2歳牝馬限定戦になって以降の通算で[4-4-2-23]。勝率は12.1%で、連対率は24.2%である。

 これだけではパッとしない数字だが、前走1200m組・1400m組と比べて数字は格段に上である。

 さらに、前走1600m組は回収率も単145%・複99%だから、ベタ買いしてもいい水準ということになる。連対率と回収率の両方で最高なのだから、距離区分として「前走芝1600m」が最高なのは間違いない。

 逆に冴えないのは前走1800m組で、この時期距離をこなしていて悪いことはないように思うのだが、[1-0-1-10]となっている。テイエムオーシャンが1番人気で勝っただけで、あとは全滅だ。

 話を1600m組に戻すと、前走内訳はいちょうSが2勝・2着2回、500万下特別が2勝・2着1回、新馬が2着1回となっている。未勝利・重賞はともにサンプル数が1つしかないので、あまり参考にはできない。

 では、今年の登録馬でなにがおすすめということになるかというと……これがヤマニンアラバスタである。前走1600m組といっても良績は前走1着馬に集中しており、そう考えると、この馬か、前走が未勝利戦というところに目をつぶってピサノケリーということになるのだ。

 正直、この結論に着地したときには見なかったことにして別ネタを考えようかとも思ったのだが、このくらい意外な馬が来てこそ穴になるというのも事実である。少なくとも買い目のどこかにはヤマニンアラバスタを入れておこう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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