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帝王賞

  • 2014年06月24日(火) 18時00分
 ダート中距離路線は、ホッコータルマエがドバイ遠征の反動から復帰できず、ベルシャザールはドバイ後に引退。代わって台頭したのが、ドバイ前のフェブラリーSでこの2頭をまとめて負かしていたコパノリッキー。ただその最低人気での勝利では、ほんとはどうなの?という半信半疑もあったが、かしわ記念では4コーナー4頭横一線の追い比べから一瞬にして突き放して見せた。砂をかぶると難しいところがあるようだが、かしわ記念はスタートで後手を踏んだもののうまく外に持ちだしてスローペースを差のない5番手からの追走だった。今回もハナを主張するようなタイプがいないだけに、互角のスタートなら逃げるか砂を被らない好位追走となりそう。初めての2000mで、大井の長い直線でどんな競馬を見せるか。

 実績的にいえば、相手はGI/JpnI勝ちのあるニホンピロアワーズかワンダーアキュートか。実際に昨年の帝王賞、東京大賞典では、勝ったホッコータルマエの2、3着をこの2頭が分けあっている。今回はニホンピロアワーズを対抗にとった。今シーズンは早い時期から前半の目標をここと定めていたことがひとつ。前走アンタレスSは3着だったが、ゴール前で競り合った他馬より2キロ重い58キロでの接戦なら悪い内容ではない。

 ▲にはワンダーアキュートではなく、ムスカテールの一発を期待。ダイオライト記念は3コーナーあたりから手ごたえが怪しくなって、直線では見せ場なく5着。ただ川崎記念でホッコータルマエに半馬身差まで迫ったレースぶりを評価したい。芝の中長距離でも直線一気というタイプで、大井の長い直線でその持ち味が生かせれば勝ち負けまで。

 ワンダーアキュートは勝ち切れない印象はあるが、とはいえ2012年にJBCクラシックを制して以降、3着を外したのは今年のフェブラリーSでの6着のみ。安定感でいえばニホンピロアワーズより上だが、押し出される形での△まで。

 ソリタリーキングは、ときに強いレースはするものの、GI/JpnIでは4着が最高という成績。GI/JpnIのメンバーに入るとやや力不足は否めない。

 地方勢では、今年からこの帝王賞と同じ2000mに距離短縮された大井記念を好タイムで圧勝したサミットストーンに期待がかけられるところが、残念ながら回避。オオエライジンは気性的なこともあって能力を出し切れていないようではあるが、実際に佐賀記念4着、名古屋大賞典5着では、このメンバーに入るとちょっとハードルが高い。

◎コパノリッキー
◯ニホンピロアワーズ
▲ムスカテール
△ワンダーアキュート
△ソリタリーキング

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1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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