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アテになりそうなのは1頭だけ!/ラジオNIKKEI賞

  • 2014年07月02日(水) 18時00分
■ラジオNIKKEI賞(G3・福島芝1800m)フルゲート16頭/登録21頭

【コース基本情報】福島芝1800m Aコース使用

・コース回収率
 [高め] 単勝103%・複勝85% 福島芝らしい荒れっぷりで穴馬の激走多発

・馬連万馬券出現率
 [高め] 20.0%(平均値↑7.6% 馬連平均配当7346円)

・枠番別成績(16頭立て)
 [1枠〜2枠] 勝率 6.0% 連対率16.1% 複勝率22.0% 複回率 93% 枠番値-0.2
 [3枠〜4枠] 勝率 6.6% 連対率11.4% 複勝率19.2% 複回率 89% 枠番値+0.1
 [5枠〜6枠] 勝率 4.2% 連対率 8.9% 複勝率14.9% 複回率 66% 枠番値-0.1
 [7枠〜8枠] 勝率 8.4% 連対率13.8% 複勝率19.2% 複回率121% 枠番値+0.2
 ────────────────────────────────────
 [01番〜08番] 勝率 6.3% 連対率13.7% 複勝率20.6% 複回率 91% 枠番値±0
 [09番〜16番] 勝率 6.3% 連対率11.3% 複勝率17.0% 複回率 94% 枠番値+0.1
 →1枠〜2枠の信頼度がやや高いが、内外で意外なほど差が見られない。

・脚質別信頼度
 先行>逃げ>>差し>>追込 イメージ以上に前有利な印象を受ける

・推定ラップ&タイム
 [均等] 35.5-37.2-35.4=1.48.1 中盤緩むも極端な瞬発力勝負にはならず

 コース全体の回収率は単勝103%、複勝85%と、かなりの高水準。集計期間内に行われた75レースで、ふたケタ人気馬が28頭も馬券に絡んでいるのだから、その波乱度はイメージ以上に高いといえる。当然ながら、馬連万馬券の出現率も20.0%と「超」高確率。高配当を狙うのに、これほど適したコースもあるまい。

 馬場が荒れてくる時期には外枠天国が発生することもあるが、全体で見ると意外なほど、枠番の内外で成績差が見られない。枠番値が-0.2から+0.2と小さな振れ幅で収まっているように、そうクセの強いコースではないようだ。基本的には「少し内枠有利」といった認識で問題ないが、開幕週であることは加味しておきたい。

 脚質については、ハッキリと先行有利。ケイアイチョウサンが後方から突っ込んできた、昨年のような決着パターンは例外的だ。ラジオNIKKEI賞は「序盤がソコソコ速く、中盤でソコソコ緩む」といった流れになることが多いので、好位〜中団で流れに乗って、長くいい脚を使えるようなタイプを狙いたいところである。

【レース基本情報】ラジオNIKKEI賞(G3) 2006年以降過去7回
・レース平均配当
 単勝1111円 馬連1万3006円 3連複4万5763円

・1番人気馬成績
 [0-1-1-5] 勝率 0% 連対率14.3% 複勝率28.6%

・3番人気以内馬成績
 [3-3-2-13] 勝率14.3% 連対率28.6% 複勝率38.1%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [4-1-3-34] 勝率 9.5% 連対率11.9% 複勝率19.0%

・10番人気以下馬成績
 [0-3-2-44] 勝率 0% 連対率 6.1% 複勝率10.2%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 0% [先行] 57.1% [差し] 28.6% [追込] 14.3%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 9.5% [先行] 42.9% [差し] 33.3% [追込] 14.3%

・性別成績
 [牡馬] 7-7-5-78 連対率14.4% 複勝率19.6%
 [牝馬] 0-0-2-13 連対率 0% 複勝率13.3%

・牡馬斤量別成績
 [52kg] 1-0-0-9 連対率10.0% 複勝率10.0%
 [53kg] 1-1-2-23 連対率 7.4% 複勝率14.8%
 [54kg] 3-2-1-19 連対率20.0% 複勝率24.0%
 [55kg] 1-3-2-12 連対率22.2% 複勝率33.3%
 [56kg] 1-0-0-11 連対率 8.3% 複勝率 8.3%
 [57kg] 0-1-0-4 連対率20.0% 複勝率20.0%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 2-2-3-21 連対率14.3% 複勝率25.0% 枠番値+0.2
 [3枠〜4枠] 1-2-2-23 連対率10.7% 複勝率17.9% 枠番値-0.6
 [5枠〜6枠] 1-2-0-25 連対率10.7% 複勝率10.7% 枠番値-0.9
 [7枠〜8枠] 3-1-2-22 連対率14.3% 複勝率21.4% 枠番値+1.2

・厩舎所属別成績
 [美浦] 6-3-5-55 連対率13.0% 複勝率20.3%
 [栗東] 1-4-2-35 連対率11.9% 複勝率16.7%

・前走距離別成績
 [芝1200m] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝1400m] 0-0-1-1 連対率 0% 複勝率50.0%
 [芝1600m] 3-2-3-31 連対率12.8% 複勝率20.5%
 [芝1800m] 0-2-2-20 連対率 8.3% 複勝率16.7%
 [芝2000m] 2-3-1-10 連対率31.3% 複勝率37.5%
 [芝2200m] 0-0-0-5 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝2400m] 2-0-0-16 連対率11.1% 複勝率11.1%
 [ダート戦] 0-0-0-7 連対率 0% 複勝率 0%

・前走クラス別成績
 [中央G1] 0-1-2-19 連対率 4.5% 複勝率13.6%
 [中央G2] 2-0-0-9 連対率18.2% 複勝率18.2%
 [中央G3] 0-0-0-5 連対率 0% 複勝率 0%
 [OP特別] 0-4-1-18 連対率17.4% 複勝率21.7%
 [条件戦] 5-2-4-39 連対率14.0% 複勝率22.0%
 ───────────────────────
 [中央重賞] 2-1-2-33 連対率 7.9% 複勝率13.2%
 [上記以外] 5-6-5-58 連対率14.9% 複勝率21.6%

・注目出走パターン
 [買い] 前走東京で出走(複勝率22.1%、複勝回収率136%)
 [買い] ハンデ54キロ〜55キロの牡馬(複勝率27.9%)
 [不振] 前走中央重賞で10着以下(0-0-1-20)
 [全滅] 連闘〜中1週での出走(0-0-0-6)
 [全滅] 中8週より長い間隔での出走(0-0-0-8)

 ハンデ戦に変更された2006年以降、1番人気で制した馬はゼロ。[0-1-1-5]で複勝率28.6%という成績は、逆の意味で驚異的である。昨年のように上位人気が総崩れとなったケースもあり、人気馬を疑うのはこのレースの基本。単勝オッズ10倍前後の「ソコソコ人気」から入るのが、いちばん効率がいいように思える。

 先行有利であることはコースデータ分析でも説明したが、勝ち馬の57.1%が先行脚質と、レースデータも先行優勢。逃げ切った馬は今のところいないが、それが今年起こる可能性もある。やはり、前重視の姿勢で取捨選択を行ったほうがよさそうだ。

 ハンデは「重すぎても軽すぎてもダメ」で、牡馬なら54キロ〜55キロあたりが狙い目。また、外枠である7枠〜8枠が、枠番値+1.2というとんでもない数値を叩き出しているのに驚かされる。外枠から先行できる馬は、高く評価するべきかもしれない。

 あとは、関東馬が圧倒的に強いレースであることや、前走重賞組が連対率7.9%、複勝率13.2%とまったくアテにできないこと、出走間隔が短すぎても長すぎてもダメであることなども、覚えておいて損はなさそう。来るパターン、来ないパターンともに絞りづらい、非常に難解なレースである。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 開幕週で前回の開催からは2ヵ月以上が経過。当然コンディション良好。

・天候予測
 好天が続きそうで、あるとしてもにわか雨程度。パンパンの良馬場か。

・勝利数トップ種牡馬
 ディープインパクト 勝率12.5% 連対率20.0% 複勝率35.0%

・著者の注目血統
 該当なし

 勝利数では、ディープインパクト産駒とステイゴールド産駒がトップの成績。以下、キングカメハメハ産駒、ダイワメジャー産駒と続く。このラインナップだけを見ると瞬発力型の馬場に思えるだろうが、これが実際はそうでもない。出走数の多さで上位に食い込んでいるだけで、イマイチ「中身」が伴っていないのだ。

 それをよく表しているのがキングカメハメハ産駒の成績で、その複勝率はたったの12.5%。逆に「中身」がいいのがサクラバクシンオー産駒やファルブラヴ産駒、グラスワンダー産駒などであり、けっこうパワー型の馬場ではないかと推測される。人気の一角となりそうなクラリティシチーだが、どう扱うかが難しいところである。

★総論×各論

 前走で500万下を勝ったばかりだが、それ以前の実績から上位人気に推されるであろう、クラリティシチー。ピオネロとショウナンワダチも、重賞で差のないレースをしてきた実績アリで、おそらくこの3頭が上位人気となりそうだ。

 しかし、このレースの人気馬や「前走重賞組」がさっぱりアテにならないのは、解説してきた通り。実際に当データ分析も、トップ評価となったのは4番人気〜5番人気あたりになりそうな、ラリングクライである。ハーツクライ産駒であるのが唯一の懸念材料で、プラス評価の多さは抜きんでている。出走さえ叶えば、かなり期待できそうだ。

 二番手以下はまさに「混沌」といった様相だが、ウインマーレライ、クラリティシチー、ピオネロ、イダスまでが上位評価組。あとはウインフェニックス、ショウナンワダチ、ミヤビジャスパー、イタリアンネオが押さえ評価となった。あとは、枠番や当日の人気で評価をいかに上げ下げするかだ。

 ハッキリ言って、多少なりとも自信が持てるのは、トップ評価したラリングクライだけ。それ以下については、どんな紛れが起こっても不思議ではない。今年に関しては、例年以上の大荒れとなる可能性も十分アリ。ふたケタ人気馬が馬券に絡むと決め打ち、そこから流す3連単や3連複勝負に出るのも、いっそ面白いかもしれない。

■CBC賞(G3・中京芝1200m)フルゲート18頭/登録21頭

 開催時期が変更されてから、今年で3年目となるCBC賞。過去2年のレースデータで語れることなどゼロに等しいが、やはり目立っているのが「外枠」の強さ。これは中京芝の短距離戦に共通する傾向で、芝1200mも芝1400mも、強烈なまでに外枠優勢なのである。

 人気通りの決着となった昨年も、勝ったマジンプロスパーが14番で2着のハクサンムーンが12番という、外枠のワンツー決着。一昨年にいたっては、16番のマジンプロスパーが1着、15番スプリングサンダーが2着、12番ダッシャーゴーゴーが3着……と、1着から6着までをふたケタ馬番が独占するという壮絶な結果であった。

 血統面ではキングカメハメハ産駒を筆頭に、フジキセキ、アドマイヤムーン、アドマイヤコジーン、サクラバクシンオーの産駒が好調なコース。また、異様なまでに人気に忠実な結果が出ているのも、押さえておきたいポイントだ。

 かなり投げやりな結論になるが、買い候補はスイートジュエリー、スギノエンデバー、トーホウアマポーラ、ブルーデジャブ、ベルカント、ルナフォンターナ。このなかで「外枠を引いた人気馬」を徹底的に重視する方向で行きたい。いっそのこと、枠番だけを見て買うというのも、このコースに関してはアリだ。

※コースデータ&血統データは2011年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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