昨年の朝日杯は、1〜3着馬が全て、前走1800m・2000mに出走していた馬だった。

　距離短縮で臨む馬というのはもともと朝日杯で活躍する傾向があり、昨年のこのレースは私のようなデータ党・期待値党にとってはまさに理想的な結果だった。傾向を持った馬が1頭絡むのはよくあることだが、傾向を持った馬だけで上位を独占することというのはそれなりに貴重なことである。

　さて、では今年はというと……。

　登録馬を見たところ、前走500万下・オープンの1800m以上を使われて好走した馬は、キョウワスプレンダとフォーカルポイント、そしてスズカマンボの3頭しかいない。前走に限らなくても、オープンの1800m以上で3着以内を経験しているのはこの3頭と、道営のモエレエスポワールしかいない。

　モエレエスポワールはダートの重賞を挟んだし、仕上がり早のアドバンテージが無くなってきたところなので軸馬は3択になるわけだが、この3択ならやはりキョウワスプレンダかスズカマンボだ。フォーカルポイントも立派な馬だが、G1でサンデーサイレンスvsエンドスウィープということではやはり前者である。

　G1といっても2歳G1だし、スイープトウショウが不利を受けつつしぶといところを見せただけに気持ちは揺らぐが……しかしそれでもSSが持つ、ここ一番の強さが勝る。SS2択は好みだろうが、マイルで勝ち鞍があるぶん、キョウワスプレンダか。

　マイルといえば、今年が特殊なのは、有力馬に1800m経験馬が少ないだけでなく、1600m経験馬も層が薄いことだ。「1600m2勝馬」はメテオバーストだけということになる。

　メイショウポーラーやダイワバンディットは直線平坦でのマイル勝ちしかなく、特に後者は休み明けということもあって今回は苦戦必至。そう考えると、ますます1800m好走組の優位が感じられる。先述した3頭、特にSS2頭のどちらかを軸馬として考えていきたい。