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獣医ジャッジがヒント 未来型予想システム/トレセン発秘話

  • 2014年07月10日(木) 18時00分


◆「新馬戦は能力以上に完成度や体調面の良しあしで決まることが多い」

 先週の美浦でのこと。ある厩舎の大仲でしゃべっていると、興味深い話が飛び込んできた。某大手牧場では現在、すべて血液検査を行ってから2歳馬のトレセン入厩を決めているというのだ。

「なぜかって? 数値を見れば馬の体調が鮮明に分かるからだよ。単に牧場での調教で動いているか否かだけでなく、トレセンでさらに負荷をかけた稽古に適応できるかも数値で見極めるんだ。つまり、こちらも下手な仕上げはできないってことだけどね」と神妙な表情の某助手。

 ならば、その血液検査の数値を知ることができれば、比較の難しい新馬戦も容易に的中できるのか? そう突っ込むと「勝ち馬をズバリ当てることは難しいかもしれないが、上位5頭くらいを数値でピックアップすることは案外簡単かも。新馬戦は能力以上に完成度や体調面の良しあしで決まることが多いからね」と何とも恐ろしい答えが返ってきた。

 もし一般ファンがその数値を知ることになれば、当たらないトラックマンの印など単なる落書きにすぎまい。現時点で検査を行っているのは一部の牧場にとどまるらしいので明日、明後日の話ではなかろうが、当方がクビになる日も刻一刻と迫っている?

 ただ、その“延命措置”として宴会野郎が現在も活用しているのが、厩舎関係者から時々聞く“獣医ジャッジ”。厩舎も毎度、血液検査を依頼するわけではないのだが、負けず劣らず参考になるのが、診療のたびにほぼチェックするであろう馬の心音である。

 某厩務員からは「いい心臓ほどクリアで大きな音がする。太鼓のように鳴り響く馬はやっぱり新馬戦からいい競馬をするものだよ」と以前に聞かされたことがあるし、実際に「今回は過去最高の心音だった」という馬が大穴をあけるケースは少なくない。科学的データをいかに入手するかは、おそらく今後最大のテーマ。馬券勝者となるためにも“未来型予想システム”をいち早く確立したいものである。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)

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