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函館記念の連れション馬券と小牧太の津軽海峡越え

  • 2014年07月17日(木) 12時00分


函館記念は、基本、5歳馬と6歳馬を中心に構成されるけれど、馬券になりやすいのは5歳馬で、ニギやかしで終わりがちなのは6歳馬だったりする。
ただ5歳馬が馬券になりやすいのは出走頭数が多いからで、好走率が特別高いわけではない。
好走率が高いのは4歳馬。だからアプローチの取っ掛かりは4歳馬から始めるのが一番効率がいい。
実際、去年は4頭しかいない4歳馬でワンツーを決めた。ちなみに去年は例年出走頭数の多い5歳馬が1頭も出走せず、ニギやかしの6歳馬がうじゃうじゃいて、4歳を選択するのが楽だった。

以下は過去11年の年齢別出走頭数の割合(去年過去10年を記載したので、今年は1年上乗せ)。
左から4歳-5歳-6歳-7歳-8歳以上で示してみた。

03年3-7-2-0-3(1着5歳 2着5歳)
04年1-4-4-3-1(1着4歳 2着5歳)
05年2-4-5-0-1(1着5歳 2着4歳)
06年2-5-4-3-2(1着6歳 2着5歳)
07年(3歳1頭)-1-5-0-1-2(1着7歳 2着5歳)
08年5-3-4-1-1(1着4歳 2着5歳)
09年2-3-4-6-1(1着7歳 2着8歳)
10年1-3-4-3-5(1着5歳 2着4歳)
11年1-3-7-1-4(1着8歳 2着10歳)
12年0-5-2-4-5(1着7歳 2着8歳)
13年4-1-8-0-3(1着4歳 2着4歳)

これを整理するとこうなる。

3歳1頭
4歳22頭
5歳43頭
6歳43頭
7歳23頭
8歳以上28頭

5歳・6歳の出走頭数が多い。
馬券圏内の内訳で見ても、5歳が一番多い。
頭数が多いのだから好走馬が多いのは当たり前だけど、出走頭数の多い6歳は苦戦し、出走頭数の少ない4歳の好走率は高いから、函館記念はやっぱり5歳と4歳で回っているといっても過言ではないわけだ。

馬券圏内の内訳
3歳(0-0-0-1)連対率.000 複勝率.000
4歳(3-3-2-14).272 .363
5歳(3-5-5-30).186 .302
6歳(1-0-3-39).023 .093
7歳(3-0-0-20).130 .130
8歳以上(1-3-1-23).142 .178

では、今年はどうか?
想定では、
(3歳1頭)-0-7-2-5-1
3歳1頭
4歳0頭
5歳7頭
6歳2頭
7歳5頭
8歳1頭

頼みの綱の4歳がいなくて、消しという意味で頼みの綱の6歳が2頭しかいない。
つまり今年は「5歳VS7歳」と見立てるしかないわけだ。

予想人気を見ると、
1人気 グランデッツァ 5歳
2人気 アンコイルド 5歳
3人気 アドマイヤタイシ 7歳
4人気 ラブイズブーシェ 5歳
5人気 ダークシャドウ 7歳

上位人気は5歳と7歳。これも当然といえば当然。
しかも5歳の方が人気は高い。これも当然か。

去年は4歳陣が4頭しかいなかったから、4歳でまとめるのはカンタンだった。
では今年はどうだろう?
現状で5歳7頭、7歳5頭。ひとくくりにするなら、頭数的に少ない7歳の方がしやすい。

函館記念は、理由はわからないけれど7歳以上の馬はいっしょに好走しやすい。
昭和っぽい表現を借りるなら、7歳以上は「連れション」が好きと言える。

過去11年で7歳以上の馬が馬券に絡んだ年は4回で、頭数は8頭。いかに連れション指数が高いかがわかる。

07年 7歳以上3頭
1着7歳エリモハリアー
2着5歳ロフティーエイム
3着4歳サクラメガワンダー

09年 7歳以上7頭
1着7歳サクラオリオン 連れション!
2着8歳マヤノライジン 連れション!
3着5歳メイショウレガーロ

11年 7歳以上5頭
1着8歳キングトップガン 連れション!
2着10歳マヤノライジン 連れション!
3着8歳アクシオン    連れション!

12年 7歳以上9頭
1着7歳トランスワープ 連れション!
2着8歳イケトップガン 連れション!
3着6歳ミッキーパンプキン

07年は立ちションで終わっているけど、これは仲間が自身を含めて3頭しかいなくて、誘いにくかったのかもしれない。
仲間が5頭以上いる09、11、12年は連れションが成立している!
11年なんか連れション・トリプルだ!

今年の7歳以上は現状6頭(7歳5+8歳1)。
連れション指数は高いと想定できる。

上位人気は5歳勢の方が高そう。
これだけで、7歳から買いたくなるけれど、それに加えて連れション指数も高いとなると、
今年は7歳からアプローチしてみたくなる。

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そういえば最近連れションしてないなぁ〜
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現状、出走可能な7歳馬は5頭、8歳馬は1頭。

7歳
アスカクリチャン 57.5 前走57.5
アドマイヤタイシ 56  前走56
ダークシャドウ  58  前走59
トウカイパラダイス 56 前走56
リルダヴァル   57  前走58
8歳
サイモントルナーレ 52 前走52

高齢馬は前走より重量が減っているか、据え置きで好走しやすい(キングトップガンは51→54で勝ったけど)。
今回出走する7歳以上の馬は据え置きか1キロ減しかいない。好走する条件は一応満たしている。

サイモントルナーレは芝での好走実績が1回しかない。去年の函館・丹頂S・2600で1着したのみ。函館で勝ったとはいえ、この実績では足りない。サゲ。

リルダヴァルはコーナー2つの角2競馬ばかり使われていて、角4経験はあまりない。小倉大賞典で3着したことはあるけれど、1人気での3着でむしろ期待を裏切っている。池江厩舎は角2向き、角4向きといったコメントを出す厩舎だから、それを考慮すると、先々はわからないけれど、久々の角4出走のここではまだ足りないと仮定できる。サゲ。

残ったのは4頭。
アスカクリチャン57.5・アドマイヤタイシ56・ダークシャドウ58・トウカイパラダイス56
もうこの4頭でいいような気もするけど、一応念のため。

アスカクリチャンは去年、56キロで3着した。リピート率もそこそこ高いレースだから、今年も好走しても驚けない。
しかし、去年はイン有利な馬場を岩田が8枠15番からいつの間にか内に潜り込んで、好走させた。今年は57.5キロで、鞍上は松岡。松岡は心配ではないけれど(むしろ期待したいけれど)、岩田が別の馬に騎乗するのと去年より1キロ増ではなく、1.5キロ増なのはちょっと気になる。ややサゲ。

トウカイパラダイスは12年・1人気・56キロ・4着、13年・4人気・56キロ・5着だった。
今年も56キロ・予想は8人気。
ここ2年よりも人気は下がりそう。しかも逃げそうなのはゼロスくらい。
となると、柴山騎手、得意の番手競馬が威力を発揮しそう。
鳴尾記念は、大阪杯の好走が祟ってか、マークが厳しくて負けたように見えた。ならば、今年は…! 今年こそは!! そう思いたいけれど、このレースが強リピート系レースならば、結局、今年も4着か5着! そんなオチもありえる。そこが心配。ややサゲ。

ダークシャドウは復活したのだろうか? 前走のエプソムCを59キロで2着したのだから、復活したと見立てたい。
不安は58キロ。前走より1キロ減とは言え、7歳以上の馬の好走履歴が57キロまでというのは少々不安だ。
堀厩舎の夏の北海道の主戦はどうやらローウィラー騎手のようだけど、この馬だけは戸崎が騎乗すると思っていたので、そこが少し気がかり。勝負は次の札幌記念か? ほんの少しサゲ。

……う〜ん……なんか心配事が多いな……。いや、高齢馬だし、心配事がないほうがむしろおかしい。スポーツ選手だって、30歳を過ぎれば、みんな何らかの故障を抱えている。それをケアしながら、だましだまし頑張っている。

アドマイヤタイシは岩田が騎乗。今年も函館をメインに騎乗しており、馬場の状態を把握しきれてそうで頼もしい。
前走の鳴尾記念を先行して2着したのも心強い。同じように先行して4着だったカレンミロティックが宝塚記念で2着したのを見て、より心強さは増した。

G3成績0-6-0-2。2着6回。全部G3。
福島・阪神・中山・中京・新潟・阪神で2着6回。
どんな競馬場でも2着できそうで、面白い!
函館出走は初だけど、札幌で0-3-0-0の成績を残しており、洋芝でもちゃんと2着しそうに思えてならない。

アスカクリチャン、ダークシャドウ、トウカイパラダイス、みんな少し心配事があって、誘いにくいなぁ〜と思っていたけれど、なんとかアドマイヤタイシは残ってくれた。やったー!
面白さ優先で抽出したような気もしないでもないけれど、アドマイヤタイシがほんまもんの「G3」2着名人ならば、ここもなんなく2着するはずだ。

というわけで、7歳はアドマイヤタイシがアスカクリチャン、ダークシャドウ、トウカイパラダイスらを誘って、連れションでゴールすると想定してみた。

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函館記念注目馬
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「G3」2着名人アドマイヤタイシと7歳馬(アスカクリチャン、ダークシャドウ、トウカイパラダイス)の連れション馬券

個人的に連れだってみたい馬
ナカヤマナイト 6歳
ラブイズブーシェ 5歳

ナカヤマナイト陣営のテンションが今年になって急激に低くなった(と感じている)。
去年の秋までは、いつも「デビュー以来最高のデキ」とぶち上げていた気がするのに……。
だけど、デビュー以来最高のデキでも、競馬で結果が出るとはかぎらない。事実13年の春に中山記念で1着して以来、1年以上も馬券圏内から遠ざかっている。デビュー以来最高のデキを更新していたのに……。

でも忘れちゃいけないのはこの馬がステイゴールド産であることだ。陣営がトーンダウンしきったところで、ドカーンと巻き返すこともないとは限らない。データの裏に生きるのもステイゴールド産だと思っているからだ。
一番好走率の低い6歳(とはいえ2年連続3着の6歳)というのも、かえって背中を押してくれる。
「この後は札幌記念」らしいけれど、そんな陣営のプランも無視して、ここで連れションに参加する。うむ、刺激的だ。

ラブイズブーシェ・いつも買ってるから。連れション仲間ってやつだ。

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函館2歳S注目馬
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クールホタルビ…阪神デビューで、小牧騎手が乗りに行く。なんかある! と決めつけたい。
この時期の開催に移って、2年連続で「函館デビュー2頭:別競馬場デビュー1頭」の2:1決着中。

今回、別競馬場デビュー組は、
クールホタルビ 阪神 小牧
トーセンラーク 東京 横山典→吉田隼
マコトダッソー 東京 蛯名→勝浦

連続騎乗は小牧騎手のみ。小牧騎手が津軽海峡を越える。調べてないけど、きっとレアだ。プレミアムな結末でありますように〜〜。

エンターザスフィア 門別デビュー なぜか岩田騎手連続騎乗
ひとひねりあるなら、最近ご無沙汰の道営・門別デビュー組か。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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