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群雄割拠の関屋記念有力馬を徹底分析

  • 2014年08月15日(金) 18時00分


◆距離短縮組が強いのでこの穴馬を…

 関屋記念は1番人気が強いレースだが、今年はある程度人気割れもしそうで、絶対この馬という存在はいない。ただ、穴馬を軸にしてヒモも穴だけという組み合わせは取りたくないので、軸は人気サイドから取ることを意識したほうが良いと思う。

 好走している血統を振り返ると、意外にもサンデーサイレンス系のシェアは小さく、もはや絶滅してしまったノーザンテースト系や、トニービン→ミラクルアドマイヤ親子が勝ち馬を輩出している。新潟は上がりの速い競馬になることも多いが、だからといって決め手のある血統が有利というわけではなく、「本来決め手のない血統でも速い上がりを使えてしまう馬場」ということかもしれない。

 1番人気はダノンシャークだろうか。G1で頻繁に掲示板に来るレベルの馬だから、ここで格上視されるのは当然だ。一本かぶりにならないのは58キロという斤量の影響だろうが、59や60ならともかく58は許容範囲。斤量で人気落ちするならトータルではむしろプラスの可能性もある。

 マジェスティハーツは前走でマイルも守備範囲であることを再確認した。今回も相手関係としてはこの馬で十分戦えるものなのだが、走破タイムそのものが速くなり過ぎると対応できない危険がある。土日は天気予報が微妙だが、稍重程度に湿ったほうがむしろ良いかもしれない。

 エキストラエンドは安田記念こそ全く競馬にならなかったが、他のレースでは安定した内容だ。左回りは東京で実績十分。ただ、せっかく決め脚のある馬なので、こちらは良馬場でやりたいところ。

 クラレントは過去にこなしている57キロに戻るのはよい。大レースよりはそこへ向かうステップレースで強いタイプだけに、ここは稼ぎどころ。勝ち切れない競馬の多い馬なのでアタマ付けにはしたくないが、2,3着には想定してもよい。

 サトノギャラントは前々走で今回と同じコースの谷川岳Sを2着しているが、当時は11番枠で今回は1番。新潟芝1600mは内枠不利の傾向があるので、今回の枠は好ましくない。またこの馬も雨は来てほしくないところだろう。

 穴っぽいところを1頭挙げるならシルクアーネスト。関屋記念は距離短縮組が強いレースなのだが、今回は2000m戦から来る馬がおらず、1800mからもこの1頭だけ。唯一の距離短縮馬だけに意識しておきたいところだ。関屋記念は過去2回いいところなしだが、一昨年は後方にいたところ先行勢での決着、昨年は中団にいたところ2番手の馬と追い込み馬で決まり、いずれも展開に恵まれなかった。勝つと言える馬ではないし軸にはできないが、配当を大きく伸ばすヒモ馬が必要なときにはおすすめだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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