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難しいガーネットS

  • 2004年01月06日(火) 10時03分
 ガーネットSは東京で開催されたり(2002年)、ハンデ戦になったり(2003年から)、いろいろ条件が変わったぶんデータ的には掴みづらいレースである。そこで今回は、一般論的なところもふくめて、「買うべき馬」のおおまかなイメージを整理してみたい。

 まず、ガーネットSに限らずダート重賞全般で狙い目なのは「地方交流重賞で好走しながら、中央ファンの目にとまらなかった馬」である。ガーネットSではこのタイプがおいしい馬券になったことがまだない(連対したのはいずれも人気馬で、ワシントンカラーの8番人気3着があるくらい)のだが、いずれは出てくることだろう。

 続いて、なるべく条件替りの無い馬を選びたい。ダート短距離というのは上位馬の顔ぶれが固定しやすいものだが、本命党の馬券にはその傾向が逆利用できる。

 具体的に条件を挙げると、
1.コース替わり
2.距離短縮
3.昇級戦

 このうち1つくらいなら目をつぶって問題ないが、2つとなると怪しくなり、3つとなると買ってはいけない。

 後にG1馬となるサウスヴィグラスも、3つの条件を全て満たしてしまった2001年のガーネットSでは3着が精一杯だった。また、1.が関西からのコース替わりである場合と、3.で昇級にもかかわらず人気になるケースは、期待値的な観点から相当に損となるので、ひとつしか条件に当てはまらない場合でも用心していきたい。

 最後のポイントは、2番目のポイントと矛盾するようだが、どうせ穴を狙うなら、前走丸っきり違う条件を使われてきた馬を狙うべし、ということである。

 ガーネットSで5番人気以下・3着以内を達成した馬(のべ11頭)の中に、前走もダート1200mだった馬は1頭もいない。一方で前走が芝だった馬は4頭いるし、「平安S=ダート1800mから連闘(サンエムキング・97年11番人気3着)」「前走は900万条件でダート1800m(ビーマイナカヤマ・98年8番人気2着)」といった例もある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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