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1勝馬にもチャンス十分の京成杯

  • 2004年01月14日(水) 11時28分
 京成杯が2000mになった時には、これでクラシックに繋がるレースになるかと期待したものだが、今のところ残念ながらそうはなっていない。

 1600m時代も2着馬にニッポーテイオーがいたりしたこともあったが、勝ち馬にはスーパーファントムやノーモアスピーディのような、後に準オープンでも勝てない馬が混じっていたりした。

 そして2000m化以降も、長い休みに入った連対馬が多かったことなどもあり、この傾向は変わっていない。

 これを裏返してみると、京成杯はなにかのはずみで勝ち負けできてしまう(と言うと語弊があるが)可能性があるという重賞なのかもしれない、ということだ。

 もちろん、馬は力量あってのものだから、力が問われないわけではない。2000m化以降を対象にすると、前走で重賞を使われ、ここでも人気サイドに支持された馬というのはそれなりに結果を出している。昨年のテイエムリキサンがそうだし、マイネルエスケープやオースミブライトもそうだ。例外は暴走してしまったブルーイレヴンだけである。

 その一方で、「なにかのはずみで」ではないが、新馬・未勝利戦を勝ったばかりの馬がオープン・重賞の壁を超えてここで連対する傾向も強い。昨年のスズカドリームのように勝ち切るのは稀なことだが、前走未勝利戦出走馬は[1-1-4-3]で人気薄の2・3着が多いため、複勝回収率は266%にも及んでいる。

 では前走が新馬・500万下の馬はどうかというと、人気と結果がほぼ比例する。5頭いる連対馬は全て4番人気以内だった。

 つまりまとめると、前走で新馬・500万下・重賞を走っていた馬は人気サイドになることが好走の条件(今年からは未勝利緒戦で勝ち上がってきた馬もここに含まれる)、前走未勝利勝ちの馬は片っぱしから馬単2着付け・3連複で狙えるということだ。

 では前走でオープン特別を走っていた馬はというと……実は[0-0-0-16]で馬券に絡んだことがない。中途半端なこのゾーンを狙うより、もっと格上か格下を物色したほうがいいということだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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