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素直に前走オープン好走馬を

  • 2004年01月19日(月) 11時25分
 AJC杯は登録頭数が少なかったようなので、今週は平安Sについて書いてみたい。

 平安Sといえば、昨年の馬連13万・馬単21万・3連複19万という大波乱が思い浮かぶ。別定だが実力馬が重い斤量を背負うことも多く、難解なイメージがつきまとう一戦だ。

 しかし、昨年の波乱を入れてもなお、全馬をベタ買いした時の回収率は単勝65%・複勝76%とごく普通である。人気馬の信頼性が高いというわけではないのだが、かといって毎年大波乱が期待できるわけではないと考えておこう。

 人気順ベースで見ると、1〜6番人気あたりまではほぼ等価とも言える成績を残しており、それならば5〜6番人気を攻めるのが得策ということにはなる。しかし、人気順以外のファクターについては、想像するイメージとは全く違って「常識的」な図式が浮かび上がる。

 象徴的なのが前走着順で、前走オープン1着馬の成績はこれまで[4-2-3-11]。単勝回収率122%・複勝回収率131%と、ともにプラスである。

 この中にはオーディンの「前走新潟記念(JRAの新潟記念ではなく、新潟公営の新潟記念)」なんてケースも入っているが、オーディンはさらにその前走が南部杯2着(交流重賞になる前。トウケイニセイにクビ差)だから、「最近の成績が良い馬」と括ることはできるだろう。

 対照的にダメなのが前走1番人気馬で、前走をオープンに限っても[1-0-4-13]。シンコウウインディしか連対していない。前走人気で負けながらもう一度期待されてしまう馬よりも、前走内容が良い馬を素直に取った方がいいということだろう。

 そこへコース形態から先行馬重視といった条件を加えれば、買う馬はだいぶ絞れてくる。変に考えすぎず、「良さそうな馬」を素直に買うのが平安S的中の近道なのだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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