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どうなる休み明け組

  • 2014年10月28日(火) 12時00分


レース間隔が開いてるケースの取捨

 今年の天皇賞秋で悩ましいのは、レース間隔の開いている実績馬が多いことだ。

 過去20年遡ってみると、中12〜23週で出走した馬は[3-3-3-34]、中24週以上の馬は[0-1-1-14]。前者の単回収率は18%で複回収率が49%。後者の複回収率は30%となっている。過去20年全馬ベースの回収率は単83%・複62%だから、ただでさえ低い複回収率の中でもさらに低いグループとなっている。

 勝っているのはすべて宝塚記念組で、宝塚記念組だけだと[3-3-2-20]。8番人気以下だった馬は馬券に絡んでいないのでそれらをカットすると[3-3-2-11]となるが、都合のよいところだけカットしても回収率は単41%・複93%でプラスにはならない。また、宝塚記念で掲示板を外していた馬は10頭いて馬券に絡んだ馬は皆無である。

 基本的に休み明け組は、その不安以上に馬の能力が勝ったというケースが多い。中12週以上・前走4着以下だった馬は[1-1-1-27]。スクリーンヒーローとペルーサがいるので複穴も無いとまでは言えないが、勝ったのは宝塚記念5着でもここで1番人気になったシンボリクリスエスだけである。

 今回はジェンティルドンナが前走宝塚記念9着。馬場云々のエクスキューズはあるにせよ、休み明けと前走大敗の両方が揃ってしまったケースからの連対は、グレード制導入以降無い。

 エピファネイアは前走4着、フェノーメノは前走1着だが、レース間隔はそれぞれ中26週と中25週。こちらは人気になるレベルの馬がほとんどいなかったのも事実だが、中20週以上での優勝も過去に例がなく、2着もダイワスカーレット=前走大阪杯勝ちなので、エピファネイアのほうはやや前走内容が物足りない印象にもなる。

 仕上げ技術は確実に昔より向上しているはずだが、結果はどうなるか。今年の見所と言えるだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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