スマートフォン版へ

57キロの呪いと1人気出遅れの呪いと1人気4着の呪い

  • 2014年11月06日(木) 12時00分


毎日王冠の週のコラムは「デムーロの呪い」をテーマにしてみた。
スプリングS(もしくは皐月賞)をMデムーロが騎乗して勝った馬はそれ以後、なかなか勝てなくなっている、勝ってもオープンレースで、期待されているほどの活躍をしていないことを根拠に、グランデッツァ・ロゴタイプ・ロサギガンティアのここ3年のスプリングS1着馬たちは危ないかもしれないと、封印解除の願いも込めつつ書いてみた。

しかし着順は残念ながら3頭揃って馬券圏外に敗れた。

5着グランデッツァ 2人気
6着ロゴタイプ 6人気
7着ロサギガンティア 3人気

なんだこの並び。
ひぃ〜! こわい〜〜!

こういう根多って、紹介したときが終わるときと相場は決まっている。
だから、なんか1頭は馬券圏内に入ると思っていたけど、ダメだった。
ロサギガンティアはその後富士Sに出走したけれど、ハナ差で4着に敗れた。
近くて遠いハナ差か!?
ひぃ〜! こわい〜!

ロゴタイプの次走はルメール騎手でマイルCSと言われている。
デムーロの呪いをルメールで解く。
なかなかに興味深いけど、それはまた別の話だ。

なぜ今週、呪いについて振り返るかというと、今週は元祖・呪いのアルゼンチン共和国杯があって、これまた悩ましい感じになりそうだからだ。
そう、呪いについてここで紹介したのはデムーロの呪いが初めてではなく、アルゼンチン共和国杯の「57キロの呪い」が最初だった。

---------------------------------
アルゼンチン共和国杯・57キロの呪い
---------------------------------

今から3年前、2011年のコラムで初出しした。

「アルゼンチン共和国杯で57キロを背負わされると勝ち負けできない」

「過去20年で、57キロでの最高着順は3着!」

「アルゼンチンの57キロは呪われている」を根拠に、当時1人気の57キロ馬トーセンジョーダンは勝てないと書いてみたのだった。

みなさま、ご存知のとおり、1着はもちろんトーセンジョーダンで、
自分はとんだ赤っ恥! とんだパープリンだった!

紹介したときが終わるときを地でいく痛烈なカウンターを喰らわされた。

しかし、カウンター・パンチでフラフラしながらも、57キロで勝ったトーセンジョーダンをその後もけっこう気にしていた。根に持っていたが正解かもしれない。

呪われた57キロで勝ったトーセンジョーダンは特別に強い馬だったのではないか? ならば例外として認定できる。

そしたらトーセンジョーダンは翌年の天皇賞秋を勝ってしまった!
あ〜やっぱり強い馬だったんだ!

それは、逆にG1を勝つくらいの馬でないと57キロの呪いは解除できないということでもあり、トーセンジョーダンを正式に例外にできることを意味していた。

ちなみに自分はトーセンジョーダン強い説をアルゼンチン共和国杯1着以後、半年ぐらいは唱えていたけれど、1年後にはすっかり忘れて、天皇賞秋を外した。もちろんトーセンジョーダンがゴールした瞬間に思い出した!

トーセンジョーダンがアルゼンチン共和国杯を勝ったのが4年前の2010年。
その後も57キロの馬は出走したけれど、1頭も馬券圏内に入っていない。

5頭出走して、0-0-0-5。
2人気のビートブラックが5着に負けたり、メンディザバルのフォゲッタブルが7人気で8着、ベリーのコスモヘレノスが6人気で9着に負けたりした。外国人騎手でもお構いなしだ。

トーセンジョーダンの例外指数、封印解除力が高かったことがわかる。

ちなみにこの20年で、57キロ馬は32頭出走して、
1-0-5-26

この10年で、
1-0-2-13

その向こうの10年で、
0-0-3-13

この20年でほとんどブレてないことがわかる。

つまり、こういうことだ。

「アルゼンチン共和国杯で57キロを背負わされると、勝ち負けできない。あっても3着まで。ただし、その馬がのちにG1を勝てるような逸材だったら、勝ち負けできるかもしれない」

トーセンジョーダンは4歳で1人気で、トップハンデでもあった。

では、今年はどうか。
ここまで長々と説明してきたのは、当然、今年は57キロ馬がいるからだ。

予想人気順に掲載
1人気・ホッコーブレーヴ 57 6歳 田辺
2人気・フェイムゲーム  57 4歳 北村宏
3人気・ラブリーデイ   57 4歳 ムーア

基本的には2連レベルではきれる。
あっても3着まで。

しかし今回は57キロの3頭で上位人気を独占しそう。
過去20年で、57キロ馬がここまで攻めてきそうな年はなかった。
さあどうすっか?

6歳1頭、4歳2頭。

トーセンジョーダンは4歳で、ノビシロも感じさせる臨戦だった。

トーセンジョーダン
約7ヶ月の休養→函館・1600万・1人気5着→1600万・1人気1着→2ヶ月休養→アイルランドT(オープン)2人気1着→アルゼンチン1人気1着。

1人気になる馬の前走はほぼ重賞。
しかしトーセンジョーダンは前走オープンを勝って、1人気に支持された馬だった。
そして一気に駆け抜けた。
だからハンデ戦重賞の常連にはならなかった。

そういえば、57キロではなかったけれど、3人気で勝ったスクリーンヒーロー53キロも4歳時の夏に休養から復帰し、条件戦・OP戦などを3戦して、アルゼンチンに出走し、一気に駆け抜けて、ジャパンカップまで勝った。

そういえば、2人気で勝ったアドマイヤジュピタ54キロも4歳時の夏に休養から復帰し、条件戦を3戦して、アルゼンチンに出走し、一気に駆け抜けて、天皇賞春を勝った。

そういえば、4歳で勝った馬はこの10年で5頭いるけれど、4頭の前走が条件戦、もしくは オープン戦(非重賞)だった。

つまり、勝ち負けを考えるなら、ここが通過点になりそうな4歳を勢いで選ぶのが正解に思える。

フェイムゲーム 4歳 前走オールカマー6着
ラブリーデイ  4歳 前走七夕賞6着

2頭ともに重賞の常連組で、通過点感はない。
ただこの2頭を比較するなら、4戦連続でハンデ戦に出走しているラブリーデイよりは、ハンデ戦経験がダイヤモンドS1着1回のみのフェイムゲームの方がよさそうだ。

うむ、フェイムゲームだ。ダイヤモンドSの勝ち方は強かった。天皇賞春も宝塚記念も頑張った。オールカマーG2を使ってのG2のハンデ戦。ちょーどいい感じがする。

ただどうしても実績で考えている気がする。勢いの要素が少ない。そこが引っかかる。
っていうか、そもそも呪われているんだから、無理に封印を解除する必要はあるのだろうか? おっと、自ら振って、自ら振り出しに戻してしまった。ひぃ〜! 自分が怖い〜!

今年は3着に1頭来る年ではないか。そう考えた方が馬券も楽だ。
アルゼンチンは1・2・3人気の馬1頭が馬券圏内に来る傾向がひじょうに強くある。
ならば、田辺で3着・北村宏で3着・ムーアで3着、そのくらいでいいのではないか。

---------------------------------
アルゼンチン共和国杯注目馬
---------------------------------

エーティータラント52キロ
前走1着してくれてたらなぁ〜〜とは思うけれど、秋に復帰し、1000万条件を2回使っての参戦に、4歳の通過点感を一番感じる。
竹之下騎手で参戦というのもカッコイイ。
回避馬が出て、出走できたならば、狙ってみたい。
ただちょっと足りなさそうだから、勝ち負けというよりは、馬券圏内での通過点として狙いたい。

スーパームーン55キロ
天皇賞秋とアルゼンチンに「藤沢流」を感じる。先週、藤沢流は成功した。今週も成功してもおかしくない。
内田博騎手が今週復帰するそうで、快気祝いになるかもしれない。
ただし今週は171年ぶりのミラクルムーンもあったから、内田博復帰とミラクルムーンのダブルニュースが理由で人気が上がるようならケンするかも。

というわけで、今年の57キロの呪いは3着でお願いしてみる。
紹介したときがおしまいのときでありませんように〜。

---------------------------------
京王杯2歳S・1番人気出遅れの呪い
---------------------------------

京王杯2歳Sで1人気になると、本当によく出遅れる。
なんだってこんなにまた!
と思うほど1人気が出遅れる。

去年はさすがにムーアだし、出遅れはない、出遅れてもなんとかするだろうと思っていたら、出遅れて、6着に負けた(馬はモーリス)。

1人気はこの10年で8回出遅れ(出負け含む)。
ここ4年連続出遅れ中で、10着・4着・9着・6着。

まあ、これで「呪い」というのはなんですが、勢いで呪いとして、くくってしまった。ワハー。

今年1人気になりそうな馬は
ニシノラッシュ
サフィロス
のどちらかか。

ニシノラッシュは出遅れ・出負け経験はないけれど、サフィロスはデビューして3戦ずっと出負けしている。
東京ならば出負けしてもなんとかなりそうだけど、G2で出遅れたら巻き返しはたやすいことではない。

ニシノ、サフィロス、どちらが1人気になっても、出遅れの呪いがあるから、ここは安心して、別の馬に注目だ。

★セカンドテーブル
戸崎でトワイニング産だから。
現在の崎山厩舎の基本スタイルは義騎手→高倉騎手→名手系。
もちろん騎乗数は圧倒的に義騎手。
ニュアンスとしては、
義・義・義・高倉・義・義・義・高倉・名手系
こんな感じか。

今回は新馬1着、小倉2歳7着を義騎手で臨んでの戸崎騎手だから、義・義・戸崎。ワードイズボンドも、だいたい似たような感じで戸崎が騎乗し、1着させた。
トワイニング産が2歳のこの時期の重賞に出るなんて久しぶりで、フサイチアソートとかドリームガードナーを思い出して、ちょっと買いたくなった。

★コウソクコーナー
内田博快気祝い。

★オープンザウェイ
いちょうS最先着馬(4着)。あのレースの質がほんまもんならここでも通用するんじゃないか? 勝浦騎手はこのレースで穴をあけるのが得意だ。予想6人気はちょっと人気になりすぎだけど、週末の実オッズでこれ以上人気にならなければ、買ってみたい。

---------------------------------
ファンタジーS・1番人気4着の呪い
---------------------------------

ファンタジーSの1人気馬は4着が多い。
なんだってこんなにまた! と思うくらい4着だ。

この10年で5回も4着がある。2回に1回4着だ。
前後の着順(3着・5着)を含めると、
10年で8回が4着プラスマイナス1だ。

1人気 1-1-2-6
圏外6回中5回が4着で、1回が5着だから、惨敗はしないことがわかる。
惨敗はしないと言っても、
4着を中心にときどき3着だから、馬券的にはガッカリの方に片足を突っ込んでることになる。

1人気馬は1人気になるような馬だから、次走が阪神JFの馬が多い。そのために抑える競馬をここで教えざるを得ないのかもしれない。

「この時期の京都1400の外回りは、馬を無性に抑えたくなる衝動を生む………」
無理矢理、呪いの方向性でまとめてみた。少し無理はあるけど、素っ頓狂でもない。

抑える競馬を仕込みたいのは、1人気にかぎったことではないから、2人気でも3人気でも警戒が必要なのは言うまでもない。

今年1人気になりそうな馬は、
レオパルディナ
ダノングラシアス
この2頭だろう。

レオパルディナは難しい。ここで実を取るか、抑える競馬を教えて、阪神JFに備えるか、そこがわからない。わからないけれど、いろんな路線で馬がスタンバイしているであろうキャロットの馬であることを考慮すると、この馬は早い時期に稼ぐ担当かもしれない。だとしたら切りにくい。ただ1400で同じように走れるかはわからない。だから疑ってみる。

ダノングラシアスは前走京都の内回り1400で抑える競馬を試みて、2着できたことで、外回りなら余裕で差しきれると考えてるかもしれない。ならば作戦は同じように差しの可能性大。ならば3着の取りこぼしも期待できそう。

というわけで、どちらが1人気になっても、こぼす可能性は見えた。

★ウインソワレ
岡田繁幸氏系の馬がルメールに騎乗を依頼して、馬を育てるようなお願いをするわけがない。ここはガチ勝負のルメール手配で間違いない。

★タガノヴェルリー
1400の外回りがあってるかもしれない。

★ニューエディション
1人気で抑える指数第1位の福永騎手だけど、この馬は前走7-5-5の位置で1着できた。ここは前走と同じような戦法で来ると思いたい。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング