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買い方を問われるレースになるか!?/エリザベス女王杯

  • 2014年11月12日(水) 18時00分
■エリザベス女王杯(G1・京都芝2200m外)フルゲート18頭/登録24頭

【コース基本情報】京都芝2200m外 Bコース使用

・コース回収率
 [やや高め] 単勝87%・複勝73% 中穴人気の激走率が高く要注意

・馬連万馬券出現率
 [高め] 14.5%(平均値↑2.1% 馬連平均配当6267円)

・枠番別複勝率(16頭立て以上)
 [1枠〜2枠] 勝率 7.4% 連対率16.2% 複勝率20.6% 複回率 66% 枠番値+0.3
 [3枠〜4枠] 勝率 6.7% 連対率12.7% 複勝率21.6% 複回率 80% 枠番値-0.1
 [5枠〜6枠] 勝率 3.7% 連対率 9.0% 複勝率14.2% 複回率 85% 枠番値-0.4
 [7枠〜8枠] 勝率 6.3% 連対率10.6% 複勝率16.3% 複回率 94% 枠番値+0.2
 ────────────────────────────────────
 [01番〜09番] 勝率 6.3% 連対率13.5% 複勝率20.8% 複回率 71% 枠番値+0.1
 [10番〜18番] 勝率 5.7% 連対率10.3% 複勝率14.9% 複回率 94% 枠番値-0.1
 →信頼度は内枠が高く回収率は外枠が高いコース。やや内枠有利か。

・脚質別信頼度
 差し>先行>>逃げ>追込 妙味は先行勢もアタマで来るのは差し脚質

・推定ラップ&タイム
 [瞬発] 35.8-61.9-34.8=2.12.5 前後半は速いが中盤でそれなりに緩む流れ

 施行レース数が少ない条件なのでやや信頼度は低いが、京都芝の外回りとしてはわりと「荒れる」部類に入るコース。なかでも健闘が目立っているのが4番人気〜6番人気で、トータル[24-18-29-178]で連対率16.9%、複勝率28.5%と、信頼度の高さはかなりのものだ。人気の盲点となりがちで、配当的な妙味も十分に感じられる。

 また、馬連万馬券の出現率が14.5%と高いのも、ぜひ意識しておきたいポイント。当然ながら、馬連平均配当も6267円と高水準で、ふたケタ人気馬の激走も期待できそうなコース。展開の紛れが起きやすいコース形態ではないのだが、芝の長距離戦というものは、いかんせんペース次第。平坦でもあり、人気薄の前残りを警戒しておきたい。

 枠番については、内外で比較してもそれほど大きな差が出ておらず、外枠を引いてもそれほど不利とは考える必要ナシ。とはいえ、内のほうがベターであるのも事実であり、特に1枠〜2枠に入った馬に関しては、少し評価をプラスして考えたほうがいい。差す馬に関しても、インが開く京都芝の外回りは内枠のほうが捌きやすいはずだ。

【レース基本情報】エリザベス女王杯(G1) 過去10年
・レース平均配当
 単勝1626円 馬連1万1969円 3連複2万572円

・1番人気馬成績
 [2-2-2-4] 勝率20.0% 連対率40.0% 複勝率60.0%

・3番人気以内馬成績
 [5-6-4-15] 勝率16.7% 連対率36.7% 複勝率50.0%

・4番人気〜6番人気馬成績
 [2-3-6-19] 勝率 6.7% 連対率16.7% 複勝率36.7%

・7番人気〜9番人気馬成績
 [2-0-0-28] 勝率 6.7% 連対率 6.7% 複勝率 6.7%

・10番人気以下馬成績
 [1-1-0-77] 勝率 1.3% 連対率 2.5% 複勝率 2.5%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 20.0% [先行] 20.0% [差し] 60.0% [追込] 0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 10.0% [先行] 30.0% [差し] 46.7% [追込] 10.0% [マクリ] 3.3%

・年齢別成績
 [3歳馬] 5-3-2-43 連対率15.1% 複勝率18.9%
 [4歳馬] 3-2-5-44 連対率 9.3% 複勝率18.5%
 [5歳馬] 2-4-2-36 連対率13.6% 複勝率18.2%
 [6歳馬] 0-1-1-11 連対率 7.7% 複勝率15.4%
 [7歳↑] 0-0-0-5 連対率 0% 複勝率 0%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜3枠] 勝率 3.5% 連対率 8.8% 複勝率17.5% 複回率 48% 枠番値+0.5
 [4枠〜6枠] 勝率 6.8% 連対率13.6% 複勝率16.9% 複回率 85% 枠番値-0.3
 [7枠〜8枠] 勝率 7.5% 連対率13.2% 複勝率18.9% 複回率 50% 枠番値-0.2
 ────────────────────────────────────
 [01番〜09番] 勝率 5.6% 連対率11.2% 複勝率18.0% 複回率 57% 枠番値+0.2
 [10番〜18番] 勝率 6.3% 連対率12.5% 複勝率17.5% 複回率 66% 枠番値-0.3

・厩舎所属別成績
 [美浦] 2-0-3-38 連対率 4.7% 複勝率11.6%
 [栗東] 6-10-7-94 連対率13.7% 複勝率19.7%

・前走距離別成績
 [〜芝1700] 0-0-1-4 連対率 0% 複勝率20.0%
 [芝1800m] 1-3-5-74 連対率 4.8% 複勝率10.8%
 [芝2000m] 7-3-3-48 連対率16.4% 複勝率21.3%
 [〜芝2200] 0-1-0-3 連対率25.0% 複勝率25.0%
 [芝2400m] 1-2-1-6 連対率30.0% 複勝率40.0%
 [芝2500〜] 1-0-0-2 連対率33.3% 複勝率33.3%
 [ダート戦] 0-1-0-1 連対率50.0% 複勝率50.0%

・前走クラス別成績
 [中央G1] 6-3-3-33 連対率20.0% 複勝率26.7%
 [中央G2] 2-2-3-23 連対率13.3% 複勝率23.3%
 [中央G3] 0-4-3-48 連対率 7.3% 複勝率12.7%
 [OP特別] 0-0-0-5 連対率 0% 複勝率 0%
 [条件戦] 0-1-1-21 連対率 4.3% 複勝率 8.7%

・注目出走パターン
 [絶好] 前走で牡馬混合の重賞に出走(連対率50.0%、複勝率64.3%)
 [絶好] 前走秋華賞で4番人気以内かつ3着以内(連対率41.7%、複勝率58.3%)
 [不振] 前走で重賞以外に出走していた日本馬(0-1-1-26)
 [不振] 外国人ジョッキー以外に乗り替わる日本馬(0-1-2-53)
 [不振] 前走、秋華賞4着以下馬(1-0-0-24)
 [全滅] 前走、府中牝馬Sで3番人気以下かつ5着以下(0-0-0-34)

 エリザベス女王杯は、コレという強い傾向が見られないレース。昨年、前走で1000万条件に出走していたラキシスが2着に好走したことで、余計にその感が強くなった。年齢、実績、ローテなどを問わず、来る馬は来るし来ない馬は来ない──という、データ面からの絞り込みが非常に難しい一戦。なかなか悩ましいものがある。

 しかし、人気別成績をよ〜く見てみると、とあることに気付く。じつはこのレース、「ソコソコの人気」に推された馬が妙に強いのである。これはコースデータの傾向にも合致するのだが、1番人気馬が[2-2-2-4]と2勝しかしていないのだが、3番人気以内馬は[5-6-4-15]とマズマズの信頼度。そして、その下の中穴ゾーンがやたらと好走している。

 では人気薄が強いかといえば、さにあらず。レースの平均配当は高めなのだが、これはクィーンスプマンテとテイエムプリキュアで決まった2009年の影響が大。じつはこの例を除くと、8番人気以下馬は過去10年[0-0-0-97]と壊滅状態で、馬券絡みを果たしている馬のほとんどが7番人気以内なのである。コレが、エリザベス女王杯最大のポイントだ。

 それ以外で重視すべきは、やはりローテ面。近年は秋華賞組の強さが目立っているが、秋華賞4着以下から巻き返したのは、2008年のリトルアマポーラ(秋華賞6着→エリザベス女王杯1着)くらいのものだ。また、府中牝馬S組は、そこで4着以内に入っているのが好走の必要条件。あとは「前走で牡馬と戦ってきた組」の強さも、かなり目立っている。

 こういったハードルをクリアし、さらに当日「7番人気以内」であることが、エリザベス女王杯で好走するうえでの必要条件。大穴をスパッと切り捨てて、好走条件を満たした馬の組み合わせによって、妙味のある配当を狙う。コレが、データ面から見るこのレースとの正しい付き合い方といえそうだ。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 引き続きBコース。時計が速くインからの差しも伸びる馬場コンディション

・天候予測
 週末まで穏やかな天候が続きそうな天気図。晴れ&良馬場前提で。

・勝利数トップ種牡馬
 ディープインパクト 勝率16.9% 連対率32.4% 複勝率40.8%

・著者の注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ハーツクライ産駒○、キングカメハメハ産駒△

 相変わらず時計が速い、京都の芝コース。内ラチ沿いの馬場もそこまで悪化はしておらず、外に出してから追い出された馬よりも、インを捌いて伸びてきた馬のほうが好勝負に持ち込めている印象を受ける。となると、好位〜中団のインでじっと脚をタメられる、内枠のほうがベターだと思われる。

 成績上位の種牡馬ラインナップは、完全に瞬発力コースのもの。サンデー系のなかでも、ディープインパクト産駒とハーツクライ産駒が非常に強く、ステイゴールド産駒がイマイチという、清く正しいキレ型コースの結果となっている。この二強と張り合うのはかなり骨が折れるが、対抗できるとすればキングカメハメハ産駒か。

★総論×各論

 もしデニムアンドルビーが出走してくれば「腰が抜けるほど買う」つもりだったのだが、残念ながら同馬は回避でジャパンCへと向かう予定。「デニムおじさん」になり損なったところで、今年の出走が叶いそうな登録馬について、好走条件別に該当馬をまとめていこう。人気については想定段階でのものだが、売り上げの大きいG1でもあり、そう大きくズレることはないと思われる。

【推定7番人気以内】
ヌーヴォレコルト、ディアデラマドレ、メイショウマンボ、スマートレイアー、ショウナンパンドラ、ブランネージュ、ラキシス、アロマティコ

【牡馬混合重賞からのローテ】
アロマティコ、ヴィルシーナ、コウエイオトメ、フーラブライド、メイショウマンボ、ラキシス

【秋華賞・3着以内】
ショウナンパンドラ、ヌーヴォレコルト

【府中牝馬S・4着以内】
ディアデラマドレ、スマートレイアー、ホエールキャプチャ、キャトルフィーユ

【複数項目該当馬】
アロマティコ、ショウナンパンドラ、スマートレイアー、ディアデラマドレ、ヌーヴォレコルト、メイショウマンボ、ラキシス

 複数の好走条件をクリアしているのが、いちばん最後の項目に名を連ねている7頭。差し脚質の馬が多く、展開的には前有利となりそうな印象を受ける。また「1番人気馬が弱い」「中穴人気が強い」といった傾向も加味したうえで序列をつけたところ、現時点では以下のような評価順となった。

ラキシス
ヌーヴォレコルト
ショウナンパンドラ
メイショウマンボ
△ディアデラマドレ
△アロマティコ
△スマートレイアー

 あとは枠番や直前気配による評価の上げ下げだが、こちらは1枠〜3枠に入った馬を多少プラス評価する程度でよさそう。ヴィルシーナの扱いが難しいが、ぶっつけ本番とはいえ展開が向きそうではあるので、人気とデキ次第ではヒモに押さえるべきか。人気薄はスパッと切り捨て、上位評価組を「どういった組み合わせで儲けるか」という、馬券の構築力が問われるレースとなりそうだ。

■福島記念(G3・福島芝2000m)フルゲート16頭/登録27頭

 穴党にはおなじみ、秋の福島の名物ハンデ重賞である福島記念。ここ数年は人気馬がそれなりに好走しているが、それでも2番人気以内馬は期間内[1-2-3-12]という低調な成績。上位人気馬が壊滅しても、まったく驚けないレースである。

 まずは「消し」ファクターだが、中9週よりも長い間隔で出走した馬は[1-1-1-26]と大不振。昨年はマイネルラクリマ、ラブイズブーシェと2頭が馬券に絡んだが、これはかなりのレアケースである。買いか消しかでいえば間違いなく「消し」が正解。これに該当する馬は、かなり割り引いて考えるべきだ。

 また、ハンデ57.5キロ以上を背負う馬が不振なのも特徴。それを考えると、トップハンデを背負うダイワファルコンや57.5キロのメイショウナルトは、やはり買いづらい。ハンデに関しては「55キロ以下の人気薄」が狙い目で、あとは人気薄での好走馬に距離延長組が目立つのも、このレースの特徴といえる。

 というわけで、注目馬はこういった好走条件をしっかり満たしている、ウインマーレライミキノバンジョー。あとはアロマカフェ、オメガハートロック、ミトラの3頭も面白い存在といえそうだ。

■デイリー杯2歳S(G2・京都芝1600m)フルゲート18頭/登録17頭

 過去10年、1番人気が[4-3-0-3]としっかり人気に応えている、デイリー杯2歳S。かなり人気サイドが強く、6番人気以下馬は[2-1-3-67]と、たったの6回しか馬券に絡めていない。ひねらず素直に買ったほうが、好結果を呼び込めるレースである。

 前走ダート組は[0-0-0-9]とすべて4着以下であり、買う価値ナシ。逆に、前走で最速上がりを計時している馬や、前走で芝1600m〜1800mに出走していた馬は信頼度が高く、ここはしっかりプラス評価しておきたい。あとは前走での人気や着順も、ここでの結果に正比例。前走、人気で好走していることが、勝ち負けの必要条件といえる。

 気になるのが断然の1番人気に推されそうなナヴィオンで、前走最速上がりはプラスだが、芝1400m戦からのローテは[1-1-0-20]とかなり信頼度の低いパターン。過信は禁物と見て、ここはケツァルテナンゴアッシュゴールドグレイスフルワールドの3頭を、ナヴィオンよりも上に取りたい。

■武蔵野S(G3・東京ダ1600m)フルゲート16頭/登録41頭

 大一番である中京・チャンピオンズCの前哨戦となる、武蔵野S。まずいえるのが、5歳以下の若馬が強いレースであるということだ。昨年も5歳馬のベルシャザールが勝ち、3着には3歳馬ベストウォーリアが7番人気で好走。6歳以上馬[0-3-3-47]という結果からも、若馬を狙ったほうがベターであるのは見てとれる。

 そして人気別で注目したいのが4番人気〜6番人気の中穴ゾーンで、トータル[5-4-2-19]で勝率16.7%、連対率30.0%という強さ。勝率、連対率ともに3番人気以内馬と同等で、上位人気を過信せず、人気の盲点となりそうな馬から攻める。これが、武蔵野Sで儲ける秘訣といえそうだ。

 このレースの好走条件といえるのが、前走で「4番人気以内」の支持を集めていること。そのうえで「2着以内」という結果を出していれば、さらに信頼できる。ちなみに、出走が叶いそうな馬で、「5歳以下」かつ「前走4番人気以内かつ2着以内」という結果を残しているのは、エアハリファフィールザスマートワイドバッハの3頭のみ。ここは中穴人気となるようなら、かなり面白そうだ。

※コースデータ&血統データは2009年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

※次回の更新は筆者都合により11月20日12時更新となります。予めご了承くださいますようよろしくお願い申し上げます。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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