地味な重賞ほど波乱含み ナイト、ミトラに激走の予感/トレセン発秘話
◆ナカヤマナイトはまだ燃え尽きていない!
先週は3連単38万円超の配当が土曜(8日)京都GIIIファンタジーSで飛び出した。当方の◎シンフォニア(14着)はいかにも見当違いだったが“一筋縄ではいかない”の直感が働いたのも確か。かつて菊花賞の“裏”で行われていたGIIアルゼンチン共和国杯もそうだったが、マスコミの扱いが手薄な重賞ほど不思議と荒れるもの。地味な重賞ほど波乱含み――。これは当方の昔からの“穴セオリー”だ。
さて、先週同様4重賞が組まれる今週、前記の法則にのっとれば穴党の狙いは日曜(16日)GIII福島記念(福島芝2000メートル)ということになろうか。近年はやや堅めに収まっているものの、07年から10年までは4年連続で3連単20万円超が飛び出した波乱の一戦。前走2桁着順馬が前触れもなく好走するのだから、難解極まりないレースでもある。では今年の激走馬は? そんな興味を持って週明けの美浦をうろついていると、いきなりぶっ放してくれたのがナカヤマナイトの石井登紀雄調教厩務員。
「燃え尽きたって? バカ言うな。最近は点火しなかっただけ。昨年後半は5戦すべてGIに出走したが、そのツケで疲れをずっと引きずってきたんだよ。今回は馬の柔らかみが違うし、ここは4年連続の重賞勝ちもかかる舞台。何とかしないと」
威勢の良さは大したものだが、良化のモノサシは? その問いに答えていわく「コイツの尻っ跳ねを見れば一目瞭然。これまでは疲れが左トモに残っていたせいで、蹴り上げた後肢が左に流れていたんだ。要は右脚しか使えてなかったってこと。それが最近はケツが真っすぐ後ろに上がるから。いよいよGII2勝の脚力の見せどころってとこかな」。なるほど。追い切り後も体の柔らかみを保っていれば、確かに狙いも立ちそうだ。
そしてもう一頭、妙に引っ掛かるのはミトラである。手塚厩舎の中舘春男厩務員が変にソワソワしているのでワケを聞くと「今週ウチの息子の馬が福島の重賞を使うんで、家内が応援に行きたいって言うんだよ。もし俺の担当のアルタイル(牡2)が土曜(15日)のオキザリス賞に出走すれば、日曜に休みを取って一緒に福島に行こうかと思うんだけど…。28頭も登録があるなら除外(フルゲート16頭)かな」とボソリ。むろん、その息子さんの馬がミトラ。予想法としては明らかに邪道だが、この手の馬が穴を出すのも経験上よくあることである。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)