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前走クラスに注目

  • 2004年02月23日(月) 11時54分
 レースの傾向を見るときに、必ずチェックする項目というのがいくつかある。

 レースそのものが本命傾向か波乱傾向か、距離短縮で臨む馬と延長で臨む馬のどちらが好走しているか、先行有利の度合いはどの程度か、などである。

 そして、「前走クラス別成績」というのも定番項目のひとつだ。

 レースには下克上をきめやすいレースとそうでないレースというか、昇級してきた馬が好走しやすいレースとそうでないレースがあるからである。

 中山記念の場合、別定G2ということもあって、「下克上」は決まりにくい傾向にある。

 平成以降の15年で前走条件クラスから中山記念へ出走した馬は13頭いるが、[1-0-2-10]という成績になっている。1勝はサクラチトセオーで、これはもともとNHK杯3着だった馬だから、純然たる下克上ではないだろう。

 前走既にオープンを走っていた馬でも、オープン特別組は成績が悪い。[2-1-1-40]で連対率は6.8%。回収率も単42%・複21%だから手を出しづらい。

 前走重賞組をグレード別に分けると、G3組よりG2組の方が連対率は高い。ならばG1組は…と思うのだが、こちらは[0-3-0-9]で、連対率としては25.0%だが1番人気2着が2回あるので評価が難しい。

 大きい流れとしては「前走クラスが上であるほど良い」とも言えるので、この前走G1組は素直に取る手もあるだろう。今回で言えばローエングリンやサクラプレジデントだ。

 もうちょっと面白い馬券を、という人は前走G2組から選ぶのがよいだろう。理想を言えば「前走G2で掲示板」なのだが、今回は適任がいない。人気は裏切ったが着差はそこそこだったワールドスケールあたりか。G2好走というだけならユキノサンロイヤルがいたのだが、白富士Sをはさんでしまった。「この馬にとって東京戦は走っていないも同じ」としてしまう手もあるが、それはちと強引か。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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