レースの傾向を見るときに、必ずチェックする項目というのがいくつかある。
レースそのものが本命傾向か波乱傾向か、距離短縮で臨む馬と延長で臨む馬のどちらが好走しているか、先行有利の度合いはどの程度か、などである。
そして、「前走クラス別成績」というのも定番項目のひとつだ。
レースには下克上をきめやすいレースとそうでないレースというか、昇級してきた馬が好走しやすいレースとそうでないレースがあるからである。
中山記念の場合、別定G2ということもあって、「下克上」は決まりにくい傾向にある。
平成以降の15年で前走条件クラスから中山記念へ出走した馬は13頭いるが、[1-0-2-10]という成績になっている。1勝はサクラチトセオーで、これはもともとNHK杯3着だった馬だから、純然たる下克上ではないだろう。
前走既にオープンを走っていた馬でも、オープン特別組は成績が悪い。[2-1-1-40]で連対率は6.8%。回収率も単42%・複21%だから手を出しづらい。
前走重賞組をグレード別に分けると、G3組よりG2組の方が連対率は高い。ならばG1組は…と思うのだが、こちらは[0-3-0-9]で、連対率としては25.0%だが1番人気2着が2回あるので評価が難しい。
大きい流れとしては「前走クラスが上であるほど良い」とも言えるので、この前走G1組は素直に取る手もあるだろう。今回で言えばローエングリンやサクラプレジデントだ。
もうちょっと面白い馬券を、という人は前走G2組から選ぶのがよいだろう。理想を言えば「前走G2で掲示板」なのだが、今回は適任がいない。人気は裏切ったが着差はそこそこだったワールドスケールあたりか。G2好走というだけならユキノサンロイヤルがいたのだが、白富士Sをはさんでしまった。「この馬にとって東京戦は走っていないも同じ」としてしまう手もあるが、それはちと強引か。