スプリングSでトライアル戦線も佳境となるが、このレースは弥生賞などとは違った傾向を持っている。
弥生賞あたりまでの牡馬戦線は基本的に「時期が進むほど下克上がきかなくなる」という傾向にあり、弥生賞はそれゆえに本命体質になっている。
しかし、スプリングSでは平成以降の15年で前走500万下からの連対が8例あり、さらに3着が8例ある。乱暴な計算をすると毎年1頭は前走500万下組が3連複に絡むペースとなるわけで、これは無視できない規模だ。
そこで、この500万下組の内訳を詳しく見てみよう。
まず、過去15年の総合成績は[3-5-8-56]で勝率4.2%・連対率11.1%。これは全馬平均を下回っているが、複勝率22.2%は全馬平均の21.1%を僅かに上回る。
人気順ではスプリングSで1〜2番人気と見込まれた5頭(モンテカルロなど)がいずれも着外に沈む一方で、8番人気以下での3着以内が8頭いる。あくまで穴狙いに利用すべき存在ということになる。
面白いのは前走着順別成績だ。前走ちゃんと500万下を勝ち上がった馬が[1-4-8-47]の連対率8.3%である一方で、前走2着馬が5頭中2頭連対(しかも2勝)、前走3着馬が4頭中1頭連対(92年13番人気2着マーメイドタバン)している。前走下級条件惜敗で超人気薄になっている馬をダメもとで狙うのも面白そうだ。
前走距離を見ると、前走も1800mだった馬(芝ダート含む)が[0-0-3-22]と全く連に絡んでおらず、一方で1600m[0-4-2-11]・2000m[2-0-1-6]は健闘している。
今回のメンバーでいうと、1800m→1700mと連勝し、500万下組では人気最上位になりそうなコンドルクエストはデータ的には微妙なところだ。それよりは前走500万下惜敗馬をパラパラと3連複のボックスor軸流しの相手に入れる方が面白い。
マルチマックスやチアズサイレンスで穴を演出してきた「前走阪神ダート1400m」からくるビッグエンデバー、前走1600m・2000mのインセンティブガイ、ピエナオンリーワンといったところが候補だろうか。書いていても苦しいと思われる面々だが、そういう馬がたまに馬券に絡むのがスプリングSでもある。