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“ジョッキーの本質”に迫るユーザーからの質問3連発!

  • 2015年03月31日(火) 18時00分
小牧太

今週は2月後半から3月中盤のレース回顧を皮切りに、ユーザーからの質問3連発!


2月後半から3月中盤のレース回顧を皮切りに、ユーザーからの質問3連発! 「当たりが柔らかい人とキツイ人の具体的な違いは?」「腕っぷしの強さと技術力は関係ある?」などなど、なかなか難しい質問が出そろいましたが、はたして小牧騎手の答えとは…!?
(取材・文/不破由妃子)


当たりがキツイ人は、必要以上に引っ掛かる!?

──先週に引き続き、2月後半から3月中盤のレースを振り返っていきたいのですが、この集計期間中の小牧さんは、1番人気の連対率が100%でした。とはいえ2着が3回なので、小牧さんにしてみればどれも悔しい一戦なのでしょうが、100%はそうそうマークできない数字です。

小牧 なんで1番人気なんかなぁ、っていう馬もいたけどね(苦笑)。サトノユニコーンは2着まではくるんやけど、もうひと踏ん張りがどうにも。力はあるんやけどね。キタサンサジンは下手に乗ったなぁ…(3月1日・阪神6R・3歳500万下2着)。仕方のない部分もあるんやけど、なんせ行くところがなかった。進路があったら、余裕で勝ってましたわ。次は勝たんと(3月29日の阪神6Rで勝利!)。

──そのほかでは、梅田厩舎のアドマイヤ2騎が勝ち上がりましたね。シャイ(1番人気)は順当勝ち、リバティ(2番人気)は9戦目にして待望の初勝利でした。

小牧 シャイはもう勝たなアカン一戦やったね。砂を被ったらまったくダメやって聞いていたから、出していって2番手で競馬したんやけどね。祐一くんが初戦で乗った馬だけあって、あの馬は強いよ。リバティは、やっぱり1400mがいいね。その前も1400mやったけど、詰まって脚を余してしまったから。ゴール前は力が入ったなぁ。勝ててホッとしたわ。

──では、ユーザーからの質問をいくつか。「カレンラストショーの将来性を教えてください。ダービーは間に合いませんか?」とのことです。小牧さんで1月の未勝利戦を勝ち上がった馬ですね。少し前にいただいた質問ですが、さすがにダービーは厳しい…。

小牧 ん〜、もう3月中旬(取材時点)やからねぇ(苦笑)。未勝利はうまいこと勝ちましたわ。強引にハナに行ったのが良かったのかな。なんせ体が小さいからねぇ。この前、北村(友一)くんが乗った500万(7着)が410キロ台でしょう。現状では、成長待ちといったところやね。

──続いては、感覚的な質問です。「太論でも度々話題に上がりますが、“当たりが柔らかい”というのが今ひとつピンときません。柔らかい人とキツイ人では、具体的にどこが違うのでしょうか。素人が見てわかるポイントはありますか?」。難しいところがきましたね。

小牧 そうやねぇ…。強いて言うなら、いつも必要以上に引っ掛かっている人は当たりがキツイ…と思う。当たりが柔らかい人は折り合いを付けるのが巧いし、逆にいえば、当たりが柔らかすぎて、追っても馬が動かない…なんていうケースもある。どちらがよりマッチするかは馬にもよるし、そもそもどちらがいい悪いっていう話ではないからね。

小牧太

どちらがよりマッチするかは馬にもよるし、そもそもどちらがいい悪いっていう話ではないからね



──競馬ファンが見て、具体的な違いがパッとわかるものではないと。

小牧 感覚的なものやからね。具体的にはわからんと思うわ。ただ、地方出身の騎手は、当たりがキツイっていうのはあると思う。地方の競馬は、折り合いを気にする必要がほとんどなかったし、逆に、深い砂のなかで止まりそうな馬をいかに動かすかっていうことだけを考えてたからね。だから、そういう乗り方が身に付いて、キツくなるんやろうけどね。それも良し悪しだし、もちろん中央の競馬に合わせて変わってきたりもするけど。

──続いては、「騎手は体重管理がありますが、ウエイトトレーニングはするのでしょうか? また、腕っぷしの強さは技術の高さと関係があるのですか?」という質問です。

小牧 筋肉を付けすぎると硬くなるからねぇ。でも、調整ルームのトレーニングルームには、そこらのジムに負けないような設備がズラッと揃ってるよ。それこそ、イチローが使っているような最新のものが。みんな一生懸命やってるよ。

──腕っぷしの強さと技術力の関係についてはどう思いますか?

小牧 それはあまり関係がないような…。直線でいうと、腕は馬の首の動きに合わせるだけやから。追うときに必要なのは、下半身の力ですもん。腕で馬を押しているわけではないからね。引っ張るのは腕の力と下半身やけど、土台である下半身がしっかりしていないと、いくら腕力があっても抑えが利かないし。もちろん、ある程度の腕力は必要やけど、腕の力はあまりいらないと思うよ。なんせ下半身が一番大事。だから腰にくるねん!

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【次回の太論は!?】
先日、騎手免許の更新試験で、大井のトップジョッキー・御神本訓史騎手がまさかの不合格となり、「地方では、不合格となることがよくあるのですか?」という質問が。このほか、「外国人ジョッキーに門戸が開かれたことについて、どう思いますか?」などなど、ユーザーからの質問に太論を展開します!
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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