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人気上位からうまい選り分けを

  • 2004年03月29日(月) 18時07分
 ダービー卿CTは芝1600mに戻ってからの8年で、全馬を均等買いした場合の回収率が単40%・複52%と堅めに収まっている重賞である。

 しかし、単に本命サイドの馬券を買えばいいかというとそうでもなく、1番人気の成績は[1-1-2-4]。しかもここ5年は連続して連を外している。

 堅さを支えているのは2番人気と3番人気で、前者は[3-2-2-1]、後者は[3-2-0-3]とともに5連対ずつしている。

 内容を見てみると、1番人気と2番人気は前走の勝ち馬が多いのだが、2番人気の方には前走準オープンの勝ち馬が2頭含まれており、しかもともに勝っている。前走オープン特別の勝ち馬と準オープン特別の勝ち馬を比較して後者の方が本質的に強いなどという議論は成り立たないが、クラスの壁が希薄であるという可能性はあるだろう。「近況好調馬」というテーマで馬券を買うなら、オッズも考慮して格へのこだわりは捨てる手もある。前走オープン特別と重賞の比較においても同様だ。

 一方、3番人気馬に目を転じてみると、こちらは前走G2・G1を惜敗してきた馬が多い。しかも、その馬たちが活躍している。

 過去8年の3番人気馬のうち、6頭が前走G2・G1に出走していた馬。しかも[3-2-0-1]で、98年のマイネルマックス以外は全頭連対している。

 前段と矛盾するようだが、前走G2・G1に出走した馬は重視する必要がある。特にそこで6番人気以内と、「勝負になるレベル」という評価を得ていた馬はG3に替わって前進が見込める。

 今年は中山記念を使った馬が全て当時人気薄だったうえその後使ってしまった馬もいるので、該当馬といえばユートピアかラントゥザフリーズあたりということになる。後者は休み明けなので、ユートピアということになるだろうか。同じ芝1600mからでなく、条件替わりで来るという過程も悪くない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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