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1年前は尾関師のイチオシだったバンゴールの成長曲線に期待/トレセン発秘話

  • 2015年04月23日(木) 18時00分


◆「まだ底は見せていない」バンゴール

 ドゥラメンテの完勝で幕を閉じた皐月賞(19日)は、すべてにおいて牝馬の第1冠・桜花賞と対照的な結末だった。レコードに0秒2差のガチンコ勝負、制したのはトライアル非経由馬、混戦から1強へ塗り替えられた勢力図…。何らかのアクシデント、もしくは展開のマギレがない限りダービーも堅い。そう感じさせるほど圧倒的なパフォーマンスだった。

「オレはこの世界に入る前から馬券は一度も買ったことがない。純粋なスポーツとして競馬が好きなんだよ。だからフェアなコースが好きだし、今のフルゲート至上主義にも疑問を感じる。いいものを見た、競馬場に来て良かった。そうファンに感じてもらうことが、GIでは一番だと思っているからね」

 かつて国枝栄調教師はこう語ったが、おそらく中山に足を運んだ多くのファンが、皐月賞でサラブレッドが醸す迫力を堪能したに違いない。

 さて“よりフェア”な東京へ舞台が替わる今週から、クラシック戦線の第2幕が開く。今週はオークストライアル・GIIフローラS。トライアルからの準備の差が明暗を分けた桜花賞を踏まえれば、ここが第2冠の行方を左右する可能性も十分ある。当方の注目はドゥラメンテと父を同じくするキングカメハメハ産駒バンゴールだ。

 昨年のPOG取材では「すごくトモが立派で血統を含めて楽しみ」と尾関知人調教師が最初にピックアップした馬(今思えば、ココロノアイは16番目だった)。3歳春を境に格段の成長を見せたローズバドの孫という血統背景からも、成長曲線に期待がかかるのは確かである。

「欲を言えばもう少し体の成長が欲しいが、稽古の動きがすごく良かったし、当該週はさほどやる必要もなさそう。未勝利の勝ち方も良く、まだ底は見せていないからね。距離は全然問題ないし、開幕馬場で切れ味勝負になった際の比較だけ。切れるディープ産駒が要警戒だね」

 1週前にこんなポイントを挙げたトレーナーだが、フタを開ければ“怖いディープ産駒”のエントリーは1頭(フロレットアレー)のみ。今週は「いい馬を教えてもらった」と、POGファンに思わせるような走りを期待しよう。
 (美浦の宴会野郎・山村隆司)

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