血統的にもなじみのある有力馬が多く、しかも1頭が抜けているわけでもないという好メンバーで行われそうな桜花賞である。
ステップレースのほとんどをスター性のある良血馬が勝ち、本番もそのうちどれかが桜花賞馬になるものと思われているが、しかし、穴党はその思い込みに疑問を投げかけていかねばならない。桜花賞はトライアルと本番の着順が直結するとは限らないからだ。
例えばチューリップ賞の1〜3着馬を見てみると、チューリップ賞優勝馬がそのまま桜花賞での最先着となったケースは10年中2回しかない。一方で、チューリップ賞2着馬が3頭の中での最先着となったケースは6回ある。
エアグルーヴが桜花賞に出られなかったケースはあるが、チューリップ賞2着馬もスカーレットメール(97年桜花賞不出走)がいるので分母は9であり、条件は同じだ。
桜花賞で連対を果たしたのはチューリップ賞1着馬がテイエムオーシャンのみなのに対し、チューリップ賞2着馬はスティルインラブなど3頭。チューリップ賞組は4着から3頭の連対馬が出ており、トライアル着順=本番の順序ではない。
同様にフィリーズレビューについて見てみると、1着馬が桜花賞でも3頭中の最先着馬になったケースは5例、2着馬が最先着となったケースは5例で五分だ(桜花賞不出走は1着馬と3着馬に各1頭)。
桜花賞で連対したのはフィリーズレビュー1着馬が2頭で2着馬はゼロだから1着馬がやや有利ではあるが、決定的な差ではない。一方、この路線も4着馬から3頭の連対馬が出ている。
今年はチューリップ賞4着(メイショウオスカル)は登録が無いしフィリーズレビュー4着(ホシノピアス)はジェイドロバリー産駒だけにシルシを回す度胸が持てないが、「トライアルとちょっと序列が入れ替わる」ことを期待しての穴狙いは可能だろう。マルターズヒートとアズマサンダース、両トライアル2着馬とも大失敗したのは阪神JFだけで、しかも同レースでも着差はそう大きくは無い。3連複の軸というイメージで本命にしてもいいくらいだ。