スマートフォン版へ

高速馬場で浮上“切れる”キャットコイン/トレセン発秘話

  • 2015年05月21日(木) 18時00分


◆「前走はあの体でよく走れるものだと」

 3連単2000万円超のGI史上最高配当が飛び出した先日のヴィクトリアマイル。上位4頭の4角通過順が[5][2][1][4]だから典型的な“行った行った”の競馬だった。レースレコードタイの1分31秒9の決着ながら、メンバー中12頭が34秒を切る上がりをマーク。先週からBコースに替わった東京の芝コース、よほどコンディションがいいのだろう。上位3頭が無印だった当方に決定的に足りなかったのは馬場状態の見極めか。今週の東京開催はその適性を冷静にジャッジして挑もうと深く反省した次第だ。

 さて、今週は牝馬の第2冠オークス。心情的には担当キュウ舎で唯一の出走馬ココロノアイを応援したいのだが、気になるのはやはり高速馬場への適性だ。

 1週前追い切り終了後に「手綱を取った(横山)ノリさんは絶賛してくれた」と尾関知人調教師が語るように、体調面は文句なし。当初から「気性さえ成長すれば、2400メートルの距離ではむしろ優位」とトレーナーが語っていただけに、楽しみな要素は十分なのだが…。稍重のGIIIアルテミスS、重のGIIIチューリップ賞を制したように、同馬の最大の武器は持久力。今の馬場状態を思えば、スタミナの有無が問われない戦いとなる可能性は高いだけに悩ましいところではある。

 その意味で軽視できないのは、逆に燃料切れを不安視されるタイプ。例えばキャットコインだ。桜花賞(7着)では輸送で12キロ減と体を大きく減らした同馬に対して、尾関師は次のようにも語っていた。

「前走はあの体でよく走れるものだと驚いた。同じステイゴールド産駒として、ココロノアイも馬体が寂しく見えるくらいのほうが走るのか…。そんな気にもさせられた」

 同馬の武器は持続力でなく軽さと切れ味。ゆえに420キロ台の体でも相応のパフォーマンスが見せられたのではないか、と当方は考える。担当の佐竹調教キュウ務員は一見チャラ男に見えても、実は気遣い巧みな牝馬向きのホースマン。それは過去の飲み会でも十分理解している。桜花賞で負けた関東馬の反撃もオークスではよくあるパターン。注目の一頭としてピックアップしたい。
 (美浦の宴会野郎・山村隆司)

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

2010年に創刊50周年を迎えた夕刊紙。競馬確定面「競馬トウスポ」(大阪スポーツは「競馬大スポ」、中京スポーツは「競馬中京スポ」)は便利な抜き取り16ページで、中身は東スポグループだからこその超充実ぶり。開催3場の全36レース(2場開催の場合は全24レース)の馬柱を完全掲載しています。

関東・舘林勲、大阪・松浪大樹の本紙予想のほか、記者による好評コラム(「一撃・山河浩、馬匠・渡辺薫など)、そして井崎脩五郎、爆笑問題の田中裕二、IK血統研など超豪華執筆陣の記事も読みごたえたっぷり。馬券作戦に役立つ情報が満載です。

関連サイト:競馬トウスポWeb

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング