ドゥラメンテの強さと気になる点
皐月賞上位馬――中でも勝ち馬ドゥラメンテの能力が抜けている。
本年の皐月のクラリティスカイの逃げは、スタート後の2Fめに10秒7のラップを踏み、前半1000m通過は59秒2。近年の皐月賞では1秒近く速いタフな平均ペースに持ち込み、しかも上がり3Fのレースラップは、11秒7-11秒4-11秒6(3Fは34秒7)。GIたる緊張感が、このラップににじみ出ている。
なんて、ミドルラップのアシストを受けたにせよ、ドゥラメンテの走破タイムは1分58秒2、自身の上がりは33秒9。
右回りは初めてということもあったのだろう。3〜4コーナーあたり舵取りは少々乱暴だったが、レースの上がりを0秒8超。坂下近辺から一気に前の馬たちをのみこんだ脚色から逆算すると、中山の急坂・1Fを推定11秒フラットで登坂。今年の皐月賞馬は、ひと味もふた味も違う。
ちなみに、皐月賞のレースレコードは、二年前にM.デムーロとのコンビでロゴタイプがマークした1分58秒0。ただしこれは前半1000mが58秒0というHペースに引っ張られる形のレコード。ロゴタイプの上がりは35秒3と、いっぱいゝだったのに対し、ドゥラメンテの上がりは33秒9。「皐月賞でもっとも速い脚を使った馬をダービーで狙え」は今もって生きるスタンダードだ。
ふと同馬の血統をなぞって思うのは、サイアーラインはキングカメハメハ×サンデーサイレンス×トニービン。
柏木集保さんによると、「母系はアドマイヤグルーヴ×エアグルーヴ×ダイナカール。ダイナカールの母シャダイフェザー(その母はバロクサイド)で、社台グループの起点のひとつでもあった種牡馬ガーサントも配合されている」。
近年の日本競馬史のメインを彩る血統が綿々と積み重なり、そうしてドゥラメンテが誕生。同馬は、社台グループの、ひとつの象徴であるかもしれないなぁ。
ただ、皐月賞は