昇級や格上挑戦の馬にもチャンスがあり、一方でここを勝ち負けしてもそれがオークス本番にはいまひとつ繋がらないという、微妙なトライアル・フローラS。好走馬の臨戦過程もバラバラで、きれいなデータ原稿にはまとめづらい。
そこで、今週はそれほど厳格に条件を適用するのではなく、緩めにあてはめていってみよう。
まず、いくらステータス感がないといっても、この時期になって新馬・未勝利を勝ちたての馬では苦しい。過去10年で[1-0-1-20]。たった1頭の勝ち馬がマニックサンデーなので回収率は高いが、毎度そのタイプをアテにするわけにはいかない。
続いて、前走距離が1600m以下は×。まず、1200mと1400mは合わせて[0-1-1-11]。さすがに距離延長がキツすぎるのか。
一方、前走1600mはトータルだと過去10年[5-2-1-39]でぼちぼち来てはいるのだが、うち桜花賞組が[5-1-1-24]。他の1600mからはタイムウィルテルの2着があるだけだ。今年は該当馬がクリスタルヴィオレだけだし、1600mまで切ってしまっていいだろう。
続いて、種牡馬を見るとサンデーサイレンスが[4-1-3-16]で連対率20%と全馬平均の12.8%を上回っている。回収率は前述したマニックサンデーで跳ね上げられているが、勝率・連対率ベースで見る限り、上位人気の方が確実にアテにできそうだ。
では、「前走で新馬・未勝利以外の芝2000mを走ったSS産駒」が今年の登録馬にいるかというと……、忘れな草賞組のグローリアスデイズとマルカフローリアン、ミモザ賞のヴァルパライソあたりが思いあたる。ミモザ賞を取り消したインゴットあたりまで含めてもいいだろう。
このボックスで決まるというわけではないが、この4頭の中に、「ふさわしい軸馬」がいそうだという手応えはある。