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前走2000m出走馬に注目

  • 2004年04月19日(月) 12時01分
 昇級や格上挑戦の馬にもチャンスがあり、一方でここを勝ち負けしてもそれがオークス本番にはいまひとつ繋がらないという、微妙なトライアル・フローラS。好走馬の臨戦過程もバラバラで、きれいなデータ原稿にはまとめづらい。

 そこで、今週はそれほど厳格に条件を適用するのではなく、緩めにあてはめていってみよう。

 まず、いくらステータス感がないといっても、この時期になって新馬・未勝利を勝ちたての馬では苦しい。過去10年で[1-0-1-20]。たった1頭の勝ち馬がマニックサンデーなので回収率は高いが、毎度そのタイプをアテにするわけにはいかない。

 続いて、前走距離が1600m以下は×。まず、1200mと1400mは合わせて[0-1-1-11]。さすがに距離延長がキツすぎるのか。

 一方、前走1600mはトータルだと過去10年[5-2-1-39]でぼちぼち来てはいるのだが、うち桜花賞組が[5-1-1-24]。他の1600mからはタイムウィルテルの2着があるだけだ。今年は該当馬がクリスタルヴィオレだけだし、1600mまで切ってしまっていいだろう。

 続いて、種牡馬を見るとサンデーサイレンスが[4-1-3-16]で連対率20%と全馬平均の12.8%を上回っている。回収率は前述したマニックサンデーで跳ね上げられているが、勝率・連対率ベースで見る限り、上位人気の方が確実にアテにできそうだ。

 では、「前走で新馬・未勝利以外の芝2000mを走ったSS産駒」が今年の登録馬にいるかというと……、忘れな草賞組のグローリアスデイズとマルカフローリアン、ミモザ賞のヴァルパライソあたりが思いあたる。ミモザ賞を取り消したインゴットあたりまで含めてもいいだろう。

 このボックスで決まるというわけではないが、この4頭の中に、「ふさわしい軸馬」がいそうだという手応えはある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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