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喝采か絶望か。穴か伏兵か。紙一重で嗜みたい宝塚記念。

  • 2015年06月25日(木) 12時00分


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宝塚記念は13頭立て以下だと単勝500円以下の人気馬が1着しやすく、14頭立て以上だと単勝500円以上のちょい伏兵系の馬が1着しやすい傾向にある。
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14頭立て以上で1人気が勝ったのは、3年前のオルフェーヴル(単320円)や11年前のタップダンスシチー(単350円)くらいで、14頭立て以上だったら、まずは非1人気馬の馬から勝つ可能性のある馬を探してみたい。

今年は、ほぼ間違いなく14頭立て以上になりそう。

予想オッズでは、
1人気 ゴールドシップ 2.4倍
2人気 ラキシス    4.0倍
3人気 ヌーヴォレコルト 8.5倍

このオッズ的には単500円以内確実のゴールドシップは1着では消せる。

仮にゴールドシップがオルフェーヴル級だというなら、もしくは宝塚記念だけはオルフェーヴル級だというなら消せないけれど、今回は、再び断然の1人気。
ならば、天皇賞春ほど、ゴールドシップに時間を割く必要もあるまい。
ゴールドシップと横山典のレース遊戯をじっくり鑑賞するってことでいいのではないか?
それで勝たれたら、喝采! ブラボー!

ラキシスは微妙だけど、このオッズならば1着では消せる。
てなことを念頭に置きつつ、
今回は馬別に、ワン・バイ・ワンで消去法してみる。

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アドマイヤスピカ ↓
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前走の目黒記念は3人気に支持されるほどだから、期待されている馬なんだろう。
松田博厩舎最後の宝塚記念だし、ここでも少しくらい期待したいけれど、2走前が条件戦の馬は宝塚では通用してない。
ここは馬主さんへのサービスと経験を踏ませるための出走とみた。
消し!

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オーシャンブルー ↓
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ステイゴールドだし、有馬記念2着もあるから、宝塚記念でも大激走する可能性はある!
と思い込みたいけれど、ここ数戦の大惨敗ぶりを見ると、ここで復活するとは微塵も思えない。むしろ松山騎手を乗せて、逃げという名の処方を施すかもしれない。池江厩舎だし、ないとは言えない。もし、逃げたら次走で警戒だ。消し!

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カレンミロティック ↑
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去年の2着馬だからナイガシロにできないのは当然だけど、今年は天皇賞春を3着しての臨戦で、去年以上に気になる存在だ。
宝塚では、7歳馬の好走歴はあまりないし、セン馬の好走歴もほとんどない。
ただそもそも天皇賞春にセン馬が出走できるようになったのは2008年からで、カレンミロティックは馬券圏内に入った初めての日本セン馬でもあり(香港のレッドカドーも3着している)、天皇賞春で好走したセン馬が宝塚に出走する初めての例でもある。

セン馬は7歳で本格化するという説もある。だから今がピークの可能性もある。
7歳&セン馬が嫌われて、人気が少しでも下がるなら、買いではないか。
予想では現在6人気。去年2着して、天皇賞春を3着した馬が6人気なら、やっぱり買いだろう。
ただし天皇賞春は内枠も幸いした。この手の先行馬を内枠で上手に操るのが蛯名騎手でもある。今年は16頭前後になりそうで、枠は去年以上に大事になりそう。

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ゴールドシップ ↑↓
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どんな遊戯かな?
1 去年の宝塚パターン…出負けしても外からしごいて、先行、押し切り遊戯。
2 札幌記念パターン…後方待機で、3角からのマクり遊戯。
3 天皇賞春パターン…向こう正面で追って、最後の直線でも追うダブル・スパート遊戯。
4 凱旋門賞パターン…後方待機で、最後まで後方待機の絶望遊戯。

まだ試されてないのは「逃げ」。

今年のメンバーに絶対に逃げたい馬はいない。
厩舎判断で逃げを指示される馬が突発的に現れるかもしれないけれど、騎手判断で突発的な逃げを打ちそうな馬は、ゴールドシップしか見つからない。

今回は、今回も、今回こそ、逃げたいんじゃないか?
阪神の2200だし、直線に坂もあるし、スタートがまともなら天皇賞春よりは先手を奪いやすいはず。
ただし去年と違って,今年は16頭立てになりそうで、出負けしてしまうと挽回はやっかいだ。

というわけで、好スタートなら「逃げ」。出負けしたら、札幌記念パターンと見た!
もちろんこぼす可能性が高いのは札幌記念パターンだ。

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ショウナンパンドラ ↓
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今年の大阪杯は過酷なレースで、キズナ含めて大阪杯組のその後の成績はよろしくないからヴィクトリアマイルのショウナンパンドラを心配したら、8着だった。
今週の週刊競馬ブックで高野調教師が(前走は)「大阪杯がタフな道悪。その疲れを取ってから立ち上げてという過程でした」と語っていた。なるほど! やっぱり大阪杯は過酷だったようだ。
はたして立ち直っているのか? 高野師は「過去最高の状態」と語っているけれど、そこは鵜呑みにできない。実際、立ち直っていたとしても、初の56キロを克服できるのかもわからない。
大阪杯組の消耗の回復にもう少し時間がかかるならラキシスまで消せる。だからショウナンパンドラは積極的に消させていただく。

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ディアデラマドレ ↑
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末脚だけはコンスタントに繰り出せるようになっている。現在5戦連続で上がり1位。
3年前に15-15-16-14の位置から3着したショウナンマイティの例もある。最後方からの末脚が届かないわけではない(あくまで馬券圏内)。
今年3走目で、マイラーズC、ヴィクトリアマイルとマイルを2走しての宝塚出走は、10年前に1着した牝馬スイープトウショウと似ている。
スイープトウショウはその年の3走目が宝塚で、都大路S、安田記念とマイルを2走していた。秋華賞馬で、安田記念も2着していたスイープトウショウに比べたら、ディアデラマドレの実績は劣るけれど、安定した末脚は魅力的だ。ゴールドシップのポジション次第では、後方待機組に有利になることもある。
他力でただハマるのを待つだけだとしても、人気がないなら待てる。予想では10人気。それなら待てる。
だから消せない。

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デニムアンドルビー ↓→
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この馬が力を発揮できる重量は54キロまでと思っている。
この馬が力を発揮出来る競馬場は京都より阪神で、それも内回りだと思っている。
東京のジャパンカップで2着したときは53キロだった。
軽さで、直線の長い大回り競馬を克服したという考えだ。
逆に去年の宝塚では5着した。得意のコース設定で56キロをなんとか克服したという考えだ(それでも5着だった)。

阪神大賞典で2着できたのは、54キロと阪神内回りが合体したからという見立てだ。
宝塚記念は阪神2200の内回りで、コース設定的にはとてもそそられる。しかし、今年も去年同様に56キロでの出走。
そうなると、成長分やデキのよさで、去年の5着を上回れるかだろう。
基本的には消しでいいと思っているけれど、3着の可能性はあるかも。
半分消し。

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トウシンモンステラ ↓
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前走・目黒記念で、ハンデ54キロをもらって、8着だった。そういう馬がG1の58キロで好走してはいけない。

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トーセンスターダム ↓
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オーストラリアのG1で58.5を背負って、2着、5着。価値はありそうだけど、同じようにオーストラリアで2戦走って、安田記念に出走したリアルインパクトは6人気で12着に惨敗した。
トーセンスターダムも消耗しているとみて、消し。

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トーホウジャッカル →
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なぜ出走して来るのか? このクラスの馬はここを使ったら秋まで使うレースはないはず。夏に出るとしたら札幌記念か。ならば、札幌記念から始動でもいいはず。
かつて、ゼンノロブロイが有馬以来半年ぶりの出走で3着したけれど、それはイギリス遠征前の叩き台でもあった。
まがりなりにも菊花賞馬だ。出てくる以上は、それなりの着順を意識するはず。つまりそれなりのデキで出走してくるとは思いたい。

ただし、自分の考えるそれなりと陣営が考えるそれなりが一致しているとは限らない。3着もそれなりだけど、5着もそれなりだからだ。もちろん希望するそれなりとは3着のこと。もし、陣営のそれなりも馬券圏内であるならば、無闇に消せない……。
もちろん人気なら消すけれど、予想では7人気……。いいそれなりに期待してもいい人気だ。

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ヌーヴォレコルト ↑↓
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ヌーヴォレコルトの前走の敗因はマイルのレースに対応できなかったからと言われている。実際みんながそういうのだからそうなのだろう。けれど、自分は外枠も敗因の一つではないかと思っている。前走も内枠だったら、もうちょっとやれたと今でも思っている。
宝塚記念も真ん中より内枠に入ったら消さない。真ん中より外枠に入ったら消す。真ん中の基準は5枠。1〜5枠で買い。6〜8枠で消し。予想では3人気。もし2人気になって、単5倍以内に支持されるなら、もちろん下げる。

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ネオブラックダイヤ ↓
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がんばれ〜

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ラキシス ↓
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予想2人気。
14頭立て以上では、単勝で5倍以内の人気の馬の頭は買わない。
仮に5倍以上ついたら、買えることになるけれど、
大阪杯を不良馬場で激走したダメージが残っていると思い込んでいるので、やっぱり買わない。

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ラブリーデイ ↓
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今年6戦目。
2走前が天皇賞春の馬が馬券になったことは、この10年ではない(10年以上前は調べてません)。
前走の鳴尾記念は余計だったのではないか? 1着したのだからそれはそれでいいんでしょうけど、自分は消す。

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レッドデイヴィス ↓
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がんばれ〜

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ワンアンドオンリー →
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Mデムーロで、伸びない馬が伸びることは多い。だからワンアンドオンリー騎乗は魅力的だ。
ただドバイ帰りはやっぱり気になる。

オーストラリア帰りのトーセンスターダムを消耗してると見て、ナイガシロにした。
不良馬場の大阪杯という理由でラキシスもナイガシロにした。

ドバイ組の
エピファネイアは宝塚出走を断念した。
ハープスターは引退した。
ゴールデンバローズはユニコーンSで4着に負けた。タップザットは13着に負けた。
でもホッコータルマエは帝王賞を勝った。

ホッコータルマエだけがタフネスぶりを発揮してるけど、総括すれば今年のドバイは過酷だったと言えなくはない。

万全を期すなら馬体重チェックか?
ホッコータルマエは2走前の川崎記念からマイナス5キロだった。
ゴールデンバローズは2走前より+10キロで、デビュー以来最高馬体重だった。
タップザットも+10キロでこれまたデビュー以来最高馬体重だった。
過酷だったゆえに、帰国して少し楽をさせたとも言えなくもない。

ワンアンドオンリーの2走前馬体重は492キロ。当日500キロ以上あったら、帰国して楽をさせたと判断してもいいのではないか。
消すか、残すか、保留。

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宝塚記念注目馬
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↑ カレンミロティック 前
↑ ディアデラマドレ  後

↑↓ゴールドシップ
↑↓ヌーヴォレコルト 

→ワンアンドオンリー 
→トーホウジャッカル 

天皇賞春で、ゴールドシップに立ちはだかっていたのは、フェノーメノではなく蛯名騎手だったかもしれない。
それが今年のカレンミロティックの騎乗で、負けはしたけれど、よ〜くわかった。
フェノーメノではマクり切られる前にスパートして、ゴールドシップの末脚を封じていた。
カレンミロティックでは先頭に立つのが早かったと反省していたけど、勝負事は紙一重だし、あれはしょうがない。自分的にはここでも早めに先頭に立って欲しいくらいだ。

ゴールドシップは、一番前か一番後ろから競馬をすると見立てたので、穴(と言えるかわからないけれど)は必然的に前のカレン、後ろのディアデラになったとも言える。

もちろんゴールドシップ=横山典には最高レベルの遊戯を見せて欲しいと願うけれど、それは最高レベルの絶望も紙一重で存在してるということ。お金ちゃん大好きな競馬印象派としては、喝采でも絶望でも馬券的には潤っていたいと思っているけど、それはムシがいい話かな……。たは!

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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