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「分かりやすい馬」より「その下のグループ」/CBC賞

  • 2015年07月03日(金) 18時00分


◆ウリウリは人気が無いならよいが、人気だとすると馬券では…

 CBC賞は今の条件になって間もないので、データでの予想は難しいレース。芝1200mのハンデGIII全体を対象に振り返ると、前走重賞1、2着馬、当該レースでの1、2番人気馬といった「分かりやすい馬」は売れすぎていて回収率が伸びず、その下のグループのほうがよい。

 人気はウリウリサドンストームあたりだろうか。ウリウリの前走は鮮やかだったが、京都でレコード勝ち→中京替わりというのは馬券的にプラスの条件替わりではないし、距離短縮で初距離というのも課題。それで人気が無いならよいが、人気だとすると馬券では軸というより押さえまでにしたいように思う。

 サドンストームは高松宮記念も好走し、一時期の不振からは完全に脱した印象がある。中京芝1200mは差しも届きやすいし、馬券になってくる可能性は高いように思う。ただ、成績が示すように勝ち切れない馬なので、3連単1着固定というよりは3連複の軸だろう。

 ダンスディレクターは前走で連続連対が止まったが、京王杯SCは1400mのGIIで実質超スローというまさかの展開。不発に終わった馬たちに関しては不問にしてもよいと思うし、中京芝1200mへのコース替わりはプラスだ。

 レッドオーヴァルベステゲシェンクのディープインパクト産駒勢は一見中京の時計がかかる馬場はマイナスに思えるが、種牡馬別成績で見るとディープもこのコースを十分こなしているし、べステゲシェンクは自身の成績もそうなっている。個人的にはGIIIを4着→3着とそれなりにこなしながら人気があまり上がらないベステゲシェンクのほうに特に魅力を感じる。

 昨年の覇者トーホウアマポーラも気になるが、6歳になったことに加え、着順だけでなくレースぶりも良かった時期とは変わっている。シルシでいうと△というニュアンスか。

 逆に、前走で復活の兆しが見えたのがホウライアキコ。ただ、これまでの好走が京都と小倉なので、中京がどうか。上のクラスで逃げ切るのは難しいコースでもある。

 ヒモ穴として気になるのがニンジャ。ここ2走は時計の対応力という面で限界を見せたが、昨年のこのレースで3着しているように展開次第では馬券のどこかに食い込むポテンシャルを持っている。他の有力馬が最近持ちハンデを伸ばしているのに対し、54キロのままできているのも良い。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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