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一長一短のまさに大混戦!/アイビスサマーダッシュ

  • 2015年07月29日(水) 18時00分

■アイビスサマーダッシュ(G3・新潟芝1000m直)フルゲート18頭/登録18頭


【コース総論】新潟芝1000m直 Aコース使用

・コースの要所!

★1番人気の勝率が33.3%と非常に高い。1着固定で狙うのも効率が良さそうだ。
★外枠のほうが信頼度は高いが人気に織り込み済み。じつは意外に重要ではない!?
★先行勢の1着率が高いコース。「先行→差し→先行&差し」決着を想定したい






 けっこう荒れるという印象が強い、新潟芝1000mの直線コース。しかし、人気別成績を見ると意外なほど人気サイドが強く、1番人気馬は16頭立て以上の多頭数でも、勝率33.3%という非常に高い数値をマークしている。完全にここだけが突出しており、以下はおおむね人気に即した信頼度。いちばん効率がいいのは、1番人気からのヒモ紛れ狙いか。

 次に馬番別成績だが、このコースの外枠有利はよく知られるところ。実際に成績もその通りで、内枠と外枠での連対率や複勝率の差は比較にならないほどだ。しかし、ここで「平均人気」の項目をよく見てほしい。内枠と外枠では2.0以上もの大差が出ており、これならば外枠が好成績で当たり前。枠番値ベースではほとんど差が出ておらず、妙味という観点からは一概に外枠有利とはいえないのである。

 そして最後に脚質だが、こちらはスプリント戦らしく、先行勢の強さが目立っている。とくに逃げた馬の勝率の高さは特筆モノで、ハナが切れそうな馬は積極的に買うべき。対照的に、後方から一気に差すのはほぼ無理といっても過言ではなく、ある程度の先行力を備えていることが、勝ち負けの必須条件といえる。

【レース総論】アイビスサマーダッシュ(G3) 過去10年

・レースの要所!

★牡馬が3勝に対して牝馬7勝と、完全に牝馬が優勢。関西馬の1着率も高い。
★コースデータよりも格段に外枠有利。レースデータでは枠番値も超優秀。
★4歳以下馬の信頼度が抜群の高さ。出走数は少ないが重視したほうがベター。








 コースデータとはかなり傾向が異なる結果となった、アイビスSDのレースデータ。1番人気はトータル[3-1-0-6]で勝率30.0%、連対率40.0%とけっして強くはなく、7番人気以下が5勝もあげているという波乱含みの内容。コースデータよりも格段に「荒れる」レースといえそうだ。

 まず目立っているのが、牝馬と関西馬の強さだ。牝馬はトータル[7-4-5-50]と馬券に絡んだ馬の過半数を占めており、勝率は牡馬の3倍以上マーク。回収率も非常に高く、真夏に強い牝馬の強みがいかんなく発揮されている。そして関西馬も、勝率の高さが大きな特徴。馬券に絡んだ数自体は関東馬と同じなのだが、勝率には非常に大きな差が出ている。牝馬&関西馬の1着固定は、かなり効率が良さそうである。

 そして枠番だが、こちらは完全に外枠優勢。コースデータとは違って、平均人気8.6に対して平均着順7.0で枠番値プラス1.6という、特筆に値する好成績を残しているのだ。単純に内外で比較した場合でも、外のほうが好成績であるのは明白。アイビスSDというレースに関しては、いまだにかなり外枠有利と考えたほうがいい。

 注目したいのが、年齢別成績である。出走数自体はそう多くはない4歳以下馬だが、その強さは目を見はるほど。[5-5-4-21]で連対率28.6%、複勝率40.0%という数値を見てもわかるように、その信頼度は5歳以上馬を圧倒している。6歳以上馬の低調な成績からも、ここは勢いのある若馬に賭けるのがベターといえる。

 あとは、牡馬の好走例が斤量56キロに集中していることや、中1週〜中8週での出走馬とそれ以外で成績が極端なまでに違うのも、アイビスSDの特徴。けっこう傾向がハッキリしているレースなので、取捨選択もサクサク進められそうである。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 開幕週のAコース。最良のコンディションで存分にスピードが発揮できそう。

・天候予測
 土曜日の降水確率が高め。雲行き次第では、稍重でのレースとなる可能性も。

・注目血統
 ヨハネスブルグ産駒◎、クロフネ産駒○、キンシャサノキセキ産駒▲、キングヘイロー産駒△、ファルブラヴ産駒△

 シャタリングマシンやバーチドレンの導入によって、ひと頃よりも柔らかい馬場となってきた新潟の芝コース。この影響か、開幕週でも差せる傾向へとシフトしてきた印象で、絶好の馬場コンディションながら意外にフラットな馬場となる可能性もある。土曜日のレース結果をしっかり精査しておきたいところだ。

 種牡馬別で目立っているのが、ヨハネスブルグ産駒とキンシャサノキセキ産駒の適性の高さである。いずれも出走数は少ないが、連対率50%オーバーという驚異的な成績。別々の馬が繰り返し好走しているのだから、データ母数が少なくても信頼できる。このコースを得意としている血統とそれ以外がハッキリ分かれているので、血統データの面でもふるいにかけやすいレースといえる。

★出走登録馬・総論×各論

 昨年の勝ち馬であるセイコーライコウや、同3着のアースソニック、この条件を大の得意としているリトルゲルダなど、快速自慢が今年も多数エントリー。しかし、コレという傑出馬は見当たらず、当データ分析の評価もどんぐりの背比べ状態。2010年のような大波乱となっても、けっしておかしくない雰囲気だ。

 断然のトップ評価だったネロが小倉・佐世保Sへと向かうようで、さらに難しくなったこの一戦。どの馬も一長一短だが、上位に評価するのはマコトナワラタナアースソニックベルカントの3頭である。

 トップ評価のマコトナワラタナは、前走のCBC賞が勝ち馬から5秒4も離されての大敗だったことで、ここは一気に人気を落としそう。しかし、前走から中3週で出走の関西馬で、しかもファルブラヴ産駒の牝馬と買い材料も多く、見直してみる価値は十分にありそうだ。内にモタれるクセがある馬なので、直線競馬がいい方向に出る可能性もある。

 二番手評価のアースソニックは、昨年の好走馬。しかし昨年とは違って、今年は信頼度の低い「6歳以上馬」となってしまう。コレが気がかりだが、中5週のローテで出走する関西馬であること、血統面、コース適性の高さなど、プラス評価となった項目の多さも目立っている1頭。今期の好調さもあり、好走が期待できそうだ。

 そして三番手のベルカントは、コーラルSからの中16週というローテが割引材料。とはいえ「4歳以下×牝馬×関西馬」という強い材料を3つも持っているワケで、再び芝に戻って持ち前のスピードを生かす競馬ができれば、ここで想像以上の強さを見せる可能性もありそう。デキ次第では、本命級の扱いをしてもいいと思われる。

 以下はレンイングランド、リトルゲルダ、サフィロス、エーシントップ、フレイムヘイローと続くが、このあたりは本当に僅差。人気を集めそうな昨年の覇者セイコーライコウについては、「消し」ジャッジを下して大恥をかいた昨年に続き、今年もかなり割り引いて考えたい。意固地になっているワケではなく、本当に買いファクターが少ないのだ。

 あとは枠番次第だが「上位評価3頭のボックス主体でまとめる」というのが、今回の基本方針。評価を大幅に上げ下げせずに済むように、できるだけ外の枠番をうまく引き当ててもらいたいものである。


■総論×各論・先週の馬券回顧




函館11レース 函館2歳S(G3)
1着 09ブランボヌール
2着 11メジャータイフーン
3着 06ヒルダ

複勝440円的中!

 トップ評価のヒルダが10番人気3着で、二番手評価だったブランボヌールが勝つという文句なしの結果。3連複や3連単でも獲れた気がしないではないが、超久々に当欄の馬券が的中したことを、何より喜びたい。つーか、ここに掲載する馬券が単複しか当たってない気がするのは気のせいだろーか(反語)。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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