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夏重賞の乗り替わり

  • 2015年08月04日(火) 12時00分


乗り替わり組に共通する面白い鍵

 夏競馬の期間は3場に開催が分散するうえ、北は札幌から南は小倉までと一年を通じて物理的な距離も開く。北海道シリーズの騎手に滞在傾向が強いこともあり、他のシーズンよりも乗り替わりが発生しやすくなる。

 一般的に、他の条件を一緒にして「前走と同騎手(継続騎乗)」と「乗り替わり」に分類した場合、勝率や複勝では前者が勝り、回収率では後者が勝ることが多い。前者は「騎手が選んだ」というケースもあるので相対的に強い馬の比率が高く、一方で後者は人気薄の一発長打で回収率を伸ばせるからである。後者には、「前走が代打騎乗で、今回は主戦騎手に戻る」というケースも含まれてしまうが、それを含めてもなお傾向は変わらない。

 夏競馬期間の重賞、過去10年分についても基本はそのようになっている。

過去10年夏競馬重賞乗り替わり、継続騎乗の成績

過去10年夏競馬期間の重賞乗り替わり、継続騎乗の成績



 乗り替わり組からなんとかしておいしいところだけをピックアップしたい。難しい話ではあるが、ひとつだけ面白い鍵がある。それは関東馬か関西馬かだ。

 乗り替わり組を東西別に分けると以下のようになる。

乗り替わり組の東西成績

乗り替わり組の東西成績



 なぜここまでの差が出るのか、正直簡単には説明がつかない。勝率や複勝率はいわゆる西高東低を考えれば当然ではある。ただ、穴も関西馬から多く出ているようだ。

 今週も重賞が2つある。軸選びにとまでは言わないが、ヒモ選びの基準に「乗り替わりの関西馬」を用いてみてもよいかもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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