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ダンスインザムード絶対でもヒモ荒れはある

  • 2004年05月17日(月) 16時51分
 東京芝2400mというコースを、しかも初体験でこなせる牝馬というのはイメージ以上に少ない。それだけに、穴党は張り切り甲斐のあるレースでもある。

 レースの条件を得意とする馬が少ないだけに、逆に言うと適性さえあれば格の壁を乗り越えて好走も可能になる。フルゲート頭数に余裕のあった時代には、ユウミロクやコスモドリームといった、500万下を勝ちたての馬が連対することもあった。

 いまさら言うまでもなく桜花賞は1600mのレースだが、そこで上位に来る馬が2400mの適性も持っている確率というのは低い。桜花賞連対馬が2頭いるとして、それが
A:「とにかく1600mが大得意」
B:「地力はあるが、1600mはベストではない」
の2頭であることも多い。このパターンで桜花賞組がオークスに向かうと、Bが来てAが飛ぶことになる。A=キョウエイマーチ・B=メジロドーベルの97年や、A=ニシノフラワー・B=アドラーブルの92年が良い例だろう。

 その一方で、
A':「とにかく地力が違いすぎる」
B':「すべてにおいてAより一枚落ちる」
という2頭によって桜花賞が決まっていることもありうる。今年のダンスインザムードは血統からも、こちらである可能性が高い。

 力が違う、違わないというアナログな基準を用いるわけにはいかないから、「桜花賞で1・2着馬の着差が0.2秒以上あった年」(過去20年)とすると、84・86・87・88・90・91・92年と97年以降の各年があてはまる。

 このうち、A'的存在、つまり着差をつけて勝った桜花賞馬がオークスでも連対を果たしたのは84・86・87・90・91・00・03年である。

 その各年の連対相手馬を人気順で記してみると、9・9・10・5・4・1・13番人気。1番人気と組んだ00年は、桜花賞馬チアズグレイス自身が5番人気だった。

 一方、同様に連対相手馬を桜花賞の着順で示してみると、4・12・不出走・4・5・3・12着。これも00年だけが例外で、あとは馬券に絡んでいない。

 つまり、オークスでダンスインザムードを買う場合、相手は桜花賞の惨敗組か、別路線組でもいいということだ。ヒモ荒れなら十分に狙えそうなオークスである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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