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堅いが意外に難しい札幌記念

  • 2015年08月18日(火) 12時00分


かなり本命党向きのレースだが気をつけなくてはいけない点が…

 札幌記念が定量戦になってから、今年で10回目。定量GIIとなると実績馬に有利なのは当然で、馬券上の指標にもそれは出ている。

 過去9回、出走全馬を均等買いした場合の回収率は単勝60%・複勝65%。1番人気馬については単勝95%・複勝97%。かなり本命党向きのレースだ。

 ただ、気をつけなくてはいけない点がいくつかある。そのひとつが、前走オープンクラス1着馬の意外な不振。過去9回で[1-2-1-12]、回収率は単21%・複43%。函館記念組など格下タイプが多いことが影響しているが、勢いでは解決できないということだ。

 もうひとつは、今回2頭登録しているGI馬の扱い。既に中央の平地GIを勝っている馬(繰り上がりでの優勝馬除く)が定量の札幌記念に出走したケースは[1-4-3-9]で、勝ったのはハープスターだけ。複勝率47.1%、複勝回収率113%は良いのだが、意外と勝ちきれない。

 今年のトーホウジャッカルとラキシスで片方を選ぶとなると、ラキシスだろうか。札幌記念は牝馬と相性が良いレースで、定量になってからの牝馬は勝率も複勝率も牡馬を遥かに凌駕し、回収率も単136%・複112%とプラスになっている。

 話を戻して、前走優勝馬が不振、GIが勝ちきれない、でもレースは堅い……となると、いったいどのような馬が好走しているのだろうか?

 実は、1着馬についてはうまい条件を提示することができない。直接各馬を振り返っても、年齢・実績・性別などはまちまちだ。

 なので馬券作戦としては、先述した牝馬やGI馬に加え、このレースと相性の良い中距離GII勝ち馬(トーセンジョーダンやアーネストリーなど後にGIを勝った馬のように、ある程度将来性が感じられる馬がよい)といったところから2頭を選び、3連単は軸2頭マルチで少しでも高めの順番に期待する……というのが良いのではと考える。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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